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「お買いもの」のいいわけ/堀井和子

「お買いもの」のいいわけ
堀井和子

My評価★★★★

幻冬舎文庫(2008年2月)
ISBN978-4-344-41094-7 【Amazon


服や靴から食器、調理器具、牛乳、洋書など、堀井さんが購入した好きな物のどこに魅かれ、何を考えて購入の決め手としたのかを自分とジックリ向きあって語った本。
どの物を見ても、堀井さんらしさが感じられてブレがない。ブレをなくすためにはどうしたらいいか、堀井さんの考え方が参考になりました。
リチード・スキャリーの本が欲しいな。このイラスト、どことなく堀井さんの絵に似ているような。こういうイラストの本があったら、私も少しは英語を覚えられるかも。

あるものを欲しいと思ってじっと見ているうちに、自分がどういうところに魅かれているか、買ってどういうふうにしたいのか、正確に(たぶん・・・)分析できるようになったのである。そんなあたりまえのことと笑わないでほしい。ごく最近まで分析せずに買って、デザインは好きなのに一度も使わないまま、あるいは一度使って、以来収ったままという失敗を繰り返していた。正直な自分の気持ち、感じた印象を、曲げずに取り出すのは、案外むずかしい。買いたい気持ちに押されて、言いわけを上手に、私の前頭葉に申し立てて、切り抜けることが多かった。(p93~94)

身に覚えのある人は結構いるんじゃ・・・。これをマーケティングの人は「言いわけ消費」というけれど。
物を購入するときに言いわけを始めると、自分の正直な気持ちが見えなくなってしまうときがある。私の場合は。でもねそうしたことに気づくのは、失敗したと思ってから。しかし本当は、言いわけしているときにすでに気づいているのかもしれない。気づいているからこそ、言いわけしているのではないかな。頭の片隅ではわかってはいるんだけれども、物欲に負けてしまう自分がいる・・・。
言いわけというから混乱するのであって、肝心なのはその物に「納得」できるかどうか。それが堀井さんがいう言いわけの意味だと思います。

簡単に言うと、言いわけしなくてもいいくらい強く魅かれたら迷わずに買う。言いわけして買ってもいいけれど、自分の選択に責任を持つ。失敗したらちゃんとショックを受け止める。(p96)
「ショックを受け止める」とことは、大事だと思います。どこが気に入って、どこが気にいらないのか、そこをきちんと見極めないと次もまた同じ失敗をしてしまう。物を選ぶという行為は、自分自身に問いかけることを含んでいるように思んです。
センスのいい人はブレがない。それはきちんと考えて選び抜かれているからなのでしょう。センスのいい人とは、自分自身をしっかり把握している人ではないのかな。自身のライフスタイルが確立シテイルカラコソ、ブレないのかも。
たかがお買い物、されどお買い物。いろいろと考えさせられる本でした。(2008/2/26)

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家をめぐる冒険/堀井和子

家をめぐる冒険
堀井和子

My評価★★★☆

絵:松林誠
幻冬舎(2006年10月)
ISBN4-344-01244-5 【Amazon


堀井さんの肩書きをなんと言えばいいのだろう。元々は料理スタイリストなので、料理やテーブル、食器などについての本を執筆していたが、いまはライフスタイル全般についてのエッセイを執筆しています。
今回は長年による家探し(でもまだ決められないのそうです)について書かれたエッセイ集。松林誠さんの絵は、なるほど、著者が好きそうな絵だと思いました。のびやかと言うよりも自由、色がいい。

まず念を押しておきたいのは、家を探す際に、実際的に役立つ本ではないってこと。ノウハウとその結果を求める人には不向き。「こんな家がいい、こんな家はダメ」という、実際的に家選びに役立つという本ではありません。不動産屋との対応についての本でもないです。

堀井さんが14年間暮らした賃貸マンション。築19年ともなると、メンテナンスに非常に手間と費用がかかるのだそうです。引っ越すことを考えながらも14年間住み続けているのはなぜか、今後はどんな家に住みたいか、著者ならではのこだわりがあって、そのこだわり方が好き。
堀井さんはいろいろ読んでいるのですが、彼女のこだわりには、なぜか共感できるんだなあ。自分と近いものを感じています。

家といっても、東京都内で土地を購入して家を建てるのは現実的ではないので、マンションを考えているみたい。サッシ枠の色のこだわりとかいろいろあるんですね。一番のこだわりはロケーション、そして採光と風の通り。現在のマンションのロケーションについては、他の本にも書いています。
堀井さんのいうロケーションとは、借景という意味かな。「眺望がいいのと眺めがいいのは違う」という章があるけれど、まったくそのとおりだと思いました。

著者の経験によると、マンションの外側のデザインは、内側のデザインと繋がっているのだそうで、外側が好きじゃない場合、内側も好きじゃないタイプが多いのだそうです。また、不動産屋が口にする「マンションの"グレード"」という言葉について、グレードの意味が不動産屋と著者とではかなり異なるとか。
著者でなくても、借りる側が求めるグレードと、不動産屋のいうグレードの意味は異なると思います。一般的に私たちが求めるグレードは環境、構造や材質、システム、セキュリティ、メンテナンスといった点ではないでしょうか。
ところが不動産屋(すべての不動産屋ではないが、一部)の場合、グレードとはデコレーション、要は装飾・見た目を意味するようなのです。

年齢や家族構成、職種によって求める家が変わってくるのは当然だけれど、それ以外のどんなライフスタイルをもってして家探しの基準とするのか、といった感じのことが書かれています。自分たちがどういう生活をしたいのか、どんな生活を理想としているのか、何を心地よいと感じているのか、それによって求める家が大きく変わってくるということ。
当たり前のことだけれど、それをジックリ考えてマンションを探す時間をとれる人は、そうそういないんじゃないかなあ。普通は必要に迫られて、引っ越す人が多いと思うんですよね。
そのうち引っ越したいと思っている人には、どんなところに住みたいかと考え、自分たちのライフスタイルを分析する参考になるのでは。いますぐ引っ越さなければいけないという人には次の機会に、ということだけれど。(2006/10/31)

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もの好きの食器棚と愉快な時間/堀井和子

もの好きの食器棚と愉快な時間
堀井和子

My評価★★☆

集英社(2006年6月)
ISBN4-08-333061-9 【Amazon


堀井さんが海外などで買って大切にしているもの、食器やキッチン用品などをフルカラーで紹介。
堀井さんというとまず南仏、次に北欧好きというイメージがあるけれど、本書に挙げられているのは北欧のものが多かったです。
デザインのどこに惹かれて、どういう経緯で購入したのか。デザイナーで誰で、どういう製法で作られているのかを追求しているものもありました。
また、使い勝手の利点と不便な点が述べられていて、不便な点とどう付き合っていこうか、と考えるところが堀井さんらしいかも。
一見同じようなガラス小皿でも、専門家に見てもらうとそれぞれに製法が違うのだとか。あと、スティッグ・リンドバーグがデザインしたカップはノベルティだそうで、そういうことをちゃんと知っている店の人がいるんですね。

私は北欧デザインの製品を、欲しいとはさほど思わないけれど(と強がってみる。うちにはまったく似合わないんだよぉぉぉ)、眺めるのは好きです。
コーヒーポットがほしいと思いつつも、何色がいいかと迷っていたのだけれど、白もええなあ。オイル缶のラベルもいいなあと思ったり。
堀井さんはポットや鍋は、黒か白もしくは銀色で揃えているという感じがしていたのだけれど、真っ赤なキャセロールやポットに惹かれるとは意外でした。でも他の本で見た堀井さん宅の様子からすると、違和感ないかも。映えるでしょうね。
こうして見ると、堀井さんの選ぶデザインの共通点がわかります。いちばん目につくのは、丸すぎずシャープすぎないカーヴ。そして質感でしょうか。写真は質感をよく捉えていますね。

食器など食卓周りの北欧デザインに興味のある人には、参考になるのではないかと思います。
ただ、堀井さんの他の食器関係の本と比べると物足りなかったな。内容的に新鮮さが感じられず、掘り下げられていなかったのが残念でした。(2006/6/7)

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