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ボートの三人男/ジェローム・K・ジェローム

ボートの三人男
ジェローム・K・ジェローム

My評価★★★★★

訳:丸谷才一,解説:井上ひさし
中公文庫(1976年7月)
ISBN4-12-200351-2 【Amazon
原題:Three Men in a Boat(1889)


19世紀のイギリスはロンドン。気鬱の病にとりつかれた主人公とジョージ、ウィリアム・ハリスの三紳士は、世俗の煩わしさから逃げるとともに静養を兼ねて、ボートでテムズ河へ漕ぎ出すことにした。河の上で二週間過ごそうというのだ。同伴するは犬のモンモランシー。
それぞれ性格の異なる三人だが、なにしろ皆紳士なので世事に疎い。荷物を作るのに一騒動、テントを立てるにも食事を作るにも騒動が持ち上がる。行く先々で珍騒動が続出!しかしそこは紳士たるもの、一席ぶって鷹揚と構える!?

キングスンから出発した一行はテムズ河沿いの、風光明媚な歴史ある建造物や町や村を見学する。テムズ河沿いのガイドブック的な役割もあり、風景とそこで暮らす人々の姿が描かれている。
旅している土地での出来事と、過去の体験談が語られる。予定の二週間まで残すところ、あと二日。一行は雨に降られながら、パングボーンまでやって来たが・・・。

********************

イギリスの作家ジェローム・クラプカ・ジェローム(1859-1927)によるユーモア小説。タイトルには「犬は勘定に入れません」の断り書き付き。だがモンモランシーも主要メンバーである。読後の感想をひとことで言うと、可笑しかった!
三紳士+モンモランシーが、行く先々で騒動を巻き起こしながら、各自が独特の見解を披露する。ボートで旅することになった発端は、ちょっと気分のすぐれなかった主人公が、大英博物館の本で病気について調べたことに始まる。
主人公は本を読んでいるうちに、自分が一つだけを抜かして、他の全ての病気の症状に該当していると思い込む。そして友人の医者に相談する。こういう人って実際にいるんだよなあ。

いり卵から王族、果ては墓碑銘まで、イギリスならではの様々な事柄が語られて、どれも滑稽でピリッと皮肉が利いている。滑稽と言うと「バカバカしさ」と同義に受け止める人がいるかもしれないが、バカバカしいのではなく、知的に洒落のめした小説とでも言おうか。
日常的な事柄の観察眼がすぐれた作家だと思う。彼らの話しぶりは(内容はともかく)いたって真面目で、ときには正論もあるのだが、真面目であればあるほど可笑しいのだ。ガハハハと大笑いさせるのではなく、ニヤッとさせる可笑しさ。こういうのをイギリス風のユーモアと言うのだろうか。(2002/11/27)

追記:2010年3月新装改版 【Amazon】(2010/4/2)

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