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ポー詩集/エドガー・アラン・ポー

ポー詩集
ポー(エドガー・アラン・ポー)

My評価★★★★☆

訳:阿部保
新潮文庫(2007年9月改版)
ISBN978-4-10-202803-2 【Amazon

収録作:大鴉/夢の夢/ヘレンに/海中の都市/死美人/レノア/不安の谷間/円形戯場/ヅァンテ島の歌/幽鬼の宮/勝利のうじ虫/幻の郷/ユウラリイ/ユラリウム/ヘレンに贈る/黄金郷/アナベル・リイ/鈴の歌/詩の真の目的/詩人エドガー・アラン・ポー(阿部保)


エドガー・アラン・ポー(1809-1849,アメリカ)の詩を語るときに、絶対と言っていいほど彼の生涯が引き合いに出される。たぶんそれは正しいのだろう。彼の人生が詩に込められているのだから。でも、私は敢えてここで詩人の生涯を語りたくない。まずは詩そのものに触れてほしいと思うから。

幻想的な詩を書く詩人は他にもいるが、ポーほど憂愁に満ちた幻想的異界を描く詩人はいないのではないだろうか。その詩世界は冥く孤独に満ち、悲哀と憂愁と寂寥が漂い、死の匂いがする。しかし、ただただ憂えて冥いだけではない。美しいのである。なんでだろう?
どこにも属することのできない漂泊の身の上、愛する者の死    。決して癒されることのない渇望や苦悶が、詩世界に凝縮されて煌きを放っている。
それは真綿の闇の中で、青白く仄かに燃えるダイヤモンド。金剛石の一条の光芒が、見果てぬ至福の世界を照らすかのよう。よりどころのなさも虚しさも、愛する者の死すらも、純化されればなぜこうも美しくなるのだろう?なぜ美しいと感じるのか、自分でもよくわからない。

収録作のうちのいくつかは、他の訳で読んだことがある。傑作といわれている「大鴉」は、やっぱり何度読んでもゾクゾクする。「幻の郷」は内田善美さんの漫画『星の時計のLiddell』で初めて知った。その<星の時計>という言葉が、「ユラリウム」で使われていることを今回知った。
引用は冒頭部分だが、これだけでも燐光を発する異界に、引きずり込まれるかのような雰囲気がある。

幻の郷(さと)

夜という妖怪が、真黒い玉座によって
悠々とあたりを覆い
只悪心の天使ばかりうろつく、
朦朧(ぼんやり)と淋しい道を通り、
遠く仄暗いチウレから    
空間と時間を超えて
荘厳にひろがる荒涼と怪しい郷から
漸く私はこの国に着いた。(P59)


実は全般的に、私には阿部訳はしっくりこなかった。なかでも「アナベル・リイ」は特に。好きな詩なのだが、訳が硬いんだなあ。この詩に関しては、私はもっとやわらかい言葉の方がいいのではないかと思う。
いまひとつ阿部訳が合わなかったので、今度は別訳で読んでみたい。でも対訳の方がいいのかなあ。もっとも英語力にかなり問題があるんだけど・・・。(2007/10/12)

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