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日本の美を求めて/東山魁夷

日本の美を求めて
東山魁夷

My評価★★★☆

講談社学術文庫(1976年12月)
ISBN4-06-158095-7 【Amazon

目次:まえがき/風景(心の鏡/自然と色彩/一枚の葉)/唐招提寺の魅力/山雲濤声/やまとしうるはし/二つの故郷の間に


東山魁夷(1908-1999)は「唐招提寺障壁画」「道」などで知られる、20世紀を代表する日本画家の一人。「道」はリトグラフが結構出回っているので、目にしたことのある人は多いと思う。1956年に日本芸術院賞、1969年に文化勲章を受賞。

本書は、日本画の第一人者・東山魁夷の随筆と講演記録。「まえがき」著者は、本書に収録された随想と講演のほとんどが、唐招提寺御影堂の上段の間、宸殿の間の障壁画を完成した昭和50(1975)年頃のものと記している。講演のほとんどは70年代半ばのもの。「二つの故郷の間に」はドイツ・ケルン市で開催された展覧会時の記録。

読んでみると本書に収められた文章は、彼の絵そのままだということがわかる。絵と文章の間にブレがない。つまり東山魁夷の描く自然は、画家の目と思想を通して再構成されている、ということだと思う。
絵は画家の心象風景と言えるだろう。絵から発せられる清爽な印象、そのような自然の風景を描き続けた画家は、どのように風景を捉えていたのか?画家が求めた心象風景について語られている。

「心の鏡」の中に、画家と絵の思想を最も端的に表している箇所がある。
私は人間的な感動が基底に無くて、風景を美しいと見ることは在り得ないと信じている。風景は、いわば人間の心の祈りである。私は清澄な風景を描きたいと思っている。汚染され、荒らされた風景が、人間の心の救いであり得るはずがない。風景は心の鏡である。庭はその家に住む人の心を最も良く表すものであり、山林にも田園にもそこに住む人々の心が映し出されている。河も海も同じである。その国の風景はその国民の心を象徴すると言えよう。(p16)
と記されており、続いて山野や海の荒れようについて述べられている。
21世紀となり、風景は私たちの心を、どのように映しているだろうか?地球温暖化対策が叫ばれていることが現状を語っているだろう。

実を言うとこの本は、20代の頃に一度読んだことがある。しかし当時はふうんという感じでしかなかった。絵は好きなのだが、文章までは胸に響かなかった。自分とは関係のない遠い世界のように感じていたのだと思う。
いま読むと画家の言葉がより身近に感じられ、しみじみと読むことができた。歳のせいかな。(2008/9/20)

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