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魔使いの弟子/ジョゼフ・ディレイニー

魔使いの弟子
ジョゼフ・ディレイニー

My評価★★☆

訳:金原瑞人・田中亜希子
カバー画・挿画:佐竹美保
東京創元社(2007年3月)
ISBN978-4-488-01952-5 【Amazon
原題:THE SPOOK'S APPRENTICE(2004)


魔使いの弟子農家は畑を分割しないことが鉄則なので、跡継ぎ以外の子どもは家を出て、職に就かなければならない。13歳になるトムは、<魔使い>に弟子入りすることになった。
魔使いとは、食屍鬼(グール)や精霊(ボガート)、魔女たちから人々や畑を守る仕事だが、とても危険で、しかも人々から忌み嫌われる。
トムの弟子入りには、異国から農場に嫁いできて、不思議な力をもつ母親の思惑があった。母親は、7番目の息子の7番目の息子トムには、すばらしい能力があるという。
トムは試験を経て、一ヶ月の試用期間に入る。魔使いの家にはボガートがいて、庭には魔女が封印されていた。そこには邪悪な魔女マザー・マルキンが封じ込められていた。

トムは少女アリスと知り合う。アリスは、魔使いが気をつけろと言っていた尖がった靴を履いた娘だった。アリスに借りのできたトムは、公正にいって彼女の頼みを断れない。トムは何と言うことのない頼み事だと思って実行するが、その危険性に気づく・・・。

********************

ジョゼフ・ディレイニー(1945年生まれ)はイギリスのランカシャーの出身で、この作品にはランカシャーの伝説や地名が盛り込まれているとか。
読んでいる途中で気づいた、「魔法使い」ではなく「魔使い」なんですね。この作品の最大の特徴は、彼らの使う技が魔法ではないところ。そこが変わっていて面白いかな。
魔使いは特殊な存在を感知できるが、実際の行動には技術と技能が必用。あとは体力もかな。捕縛には鉄と塩、銀の鎖などが使われ、地面に掘った穴を特殊な素材で塗り固め、鉄格子でフタをして封じ込める。非常に危険だが、いたって地味な仕事。

そんな魔使いの徒弟となったトムだが、どうやら彼には特別な運命があるらしい。
このトム、正直で公平性を求めるタイプ。まあ、ごく普通の少年だが、人より良心的なところがあるかな。ファンタジーの主人公としては、まともすぎて地味なタイプ。トムや魔使いのグリゴリー、その他の登場人物も含め、キャラクターが通り一遍的で薄っぺらいなあ。その中で、トムの義姉エリーが、赤ちゃんを守ろうとする態度や戸惑いが、感情的にはいちばんシックリしたけど。
そもそも翻訳に面白みがないんだなあ。丁寧に訳そうとしているのはわかるのだが、技術翻訳ならともかく、小説の文体としては精彩に乏しく勢いを削いでてしまっている感じがする。元々が地味な話だから、ここは翻訳でがんばってもらわなくちゃ・・・と思うのだけれど。

奇跡の力をもつといわれる7番目の息子の7番目の息子トム。
世界を救うという7の7番目の息子という設定は、オースン・スコット・カードのファンタジー『アルヴィン・メイカー』シリーズと同じ。アルヴィン・メイカーは開拓時代の北米が舞台で、2巻までしか翻訳されずじまいだが(あとは外伝が1篇)。もっとも7の7番目というのは宗教的なものなので、誰がネタにしてもいいのだが。
カードにはSFで『第七の封印』という7番目の娘の話もあるので、「7番目の7番目」というのは、私には使い古されたネタという感じなんだよねえ。
ともあれカードと同設定のファンタジーというのは無謀だろう。どうしても比べてしまうため、評価が辛くなってしまう。
ただ、本書はシリーズになっていて、邦訳は現在5巻まで刊行。はじめからシリーズとして書かれたのだろう、長編のプロローグ的といった印象がある。伏線が思わせぶりで、もどかしいのだが。これから先どんなふうに展開していくのかは、まだわからない。とりあえず次巻に期待したい。(2010/7/12)

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