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ダンテ 新生/ダンテ・アリギエーリ

ダンテ 新生
ダンテ・アリギエーリ

My評価★★☆

訳:山川丙三郎
岩波文庫(1948年2月)
ISBN4-00-327014-2 【Amazon


9歳のときにベアトリーチェに出会ったダンテ。その後9年が経ち、貴婦人となった彼女に出会い密かに恋焦がれるが、会釈する程度の月日が過ぎてゆく。ダンテは周囲に彼女への想いを隠しながら、ソネットを賦し始める。
ダンテは想いを伝えることはなく結婚し、そしてベアトリーチェも結婚した。

やがてベアトリーチェはフィレンツェを去る。戻ってきたときに、何らかの理由で感情を害したベアトリーチェは、ダンテを非難し会釈を拒む。そんな月日が過ぎてゆくうちに、まずベアトリーチェの父親が亡くなり、その後に彼女も亡くなった。彼女の死に、ダンテは悲嘆にくれた日々を過ごす。
そんな彼をある婦人が慰め、彼はその婦人を意識し始める。だが、そんな自分を戒め、天にあり自分を見守ってくれているであろうベアトリーチェをひたすら想い続ける。とまあ、主にこんな内容で、その折々のソネットが賦されている。

********************

ダンテ・アリギエーリ(1265-1321)は、イタリアの都市国家フィレンツェ生まれの詩人・哲学家・政治家。フィレンツェで金融業を営む小貴族の息子として生まれる。修道院が経営する学校でラテン語を学び、ボローニャ大学へ進む。後に政治の要職に就く。
13世紀の北イタリアは教皇派と皇帝派が対立し、紛争を繰り広げていた。ダンテ属する教皇派が勝利を治める。しかし教皇派で内部分裂が起こり、ダンテの属する派閥(白党)は政争に敗れ、ダンテはフィレンツェを永久追放された。

『新生』はダンテが青年時代に賦したベアトリーチェに対するソネットと一部カンツォーネの31篇(数え方によって変動するらしい)と、その由来を記した散文から成る。ダンテが想いを伝えることなく、ベアトリーチェは結婚し24歳で亡くなったという。

ベアトリーチェがダンテをどう思っていたのか、ということはわからないので、ダンテの一方的な想いであったかもしれない可能性がある。ベアトリーチェもダンテのことを想っていたのであれば、何らかの障害によって結婚できなかった男女の悲劇ということになる。もっともダンテは告白していないが。
ベアトリーチェを生身の人間としてではなく、愛を神格化させた存在として捉えるのが、本来の読み方だろう。ベアトリーチェはダンテの理想の女性像であり、ベアトリーチェという現身をかりて、愛のさまざまな局面を賦してみせたものと思われる。
たんなる恋愛詩として読めば、ストーカーの一歩手前の青年の妄想記という気がしなくもない(そこまで言うか)。どうにも私は恋愛物は苦手だ。私には良さがわからないけれど、『神曲』(未読)を読んでいれば、何らかの関係性を見つけられて、いろいろ発見があるのかなあ。

この本は、1929(昭和4)年に同社から発行されたものを文庫化したのだそうで、ともかく訳が古くて非常に読みにくかった。旧漢字旧仮名だけならともかく、訳語や言い回しが古すぎてわかりにくくピンとこなかった。
格調高く訳そうとしたのかもしれないが、時々首を捻りたくような文意のわかりにくいところもあった。独特の言い回しで、熱意はわかるけれど懲りすぎなのでは。文語訳がいけないというわけではないんだけど・・・。そんなこんなで気をとられちゃって、読んでいて楽しめなかった。あるのなら新訳で読みたかった。(2008/5/8)

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