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暮らしの眼鏡/花森安治

暮らしの眼鏡
花森安治

My評価★★★☆

解説:松浦弥太郎
中公文庫(2008年2月)
ISBN978-4-12-204977-2 【Amazon


雑誌『暮らしの手帖』の初代編集長、イラストレーターとして知られる花森安治(1911-1978)のエッセイ集。装幀の仕事も多く手がけており、味わいのあるイラストにファンは多いと思う。
プロフィールによれば、1946年に雑誌『スタイルブック』を創刊。1948年に雑誌『美しい暮らしの手帖』を創刊。この雑誌を後に『暮らしの手帖』改題。1972年に『一戔五厘の旗』で読売文学賞を受賞。
解説によると、現在読むことができるのは『一戔五厘の旗』(【暮らしの手帖社】)のみだそうだ。文庫で復刊した本書を加えて2冊となる。
花森さん自身が本を出していたとは知らなかった。ましてや読売文学賞を受賞していたなんて意外だった。私のなかでは、編集者としてよりも、イラストレーターというイメージが強かったもので。

踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら
踊っちゃ損だ     知識人処世訓(p122)

という見出しがあり、これにはウケた。ようするに考え方・生き方の問題で、確かに一理ある。
氏は決して奇抜さを狙ったのではなく、全篇筋が通っているし、文章から氏の愛情が感じられる。ユーモアはあっても、愛情が感じられる文章というものは滅多にお目にかかれない。これは氏の人柄と筆力によるのだろう。
松浦弥太郎さん(現暮らしの手帖編集長)によれば、雑誌のときとは文体が異なるのだそうだ。落語調があったりと滑舌でとてもテンポがよく、軽妙洒脱で逆説的なユーモアに溢れている。しかし、とても逆説的なので、飛ばし読みや斜め読みしたりすると、真意を汲み取れないのではないかな。

明治44年生まれの人なので、風俗や社会情勢などは時代を感じさせるけれど、氏が言いたかったことは概ね古びていないと思う。
ただ、「サラリィガール十戒」は、結婚するまでの腰掛社員というOLについて物申しているけれども、それはせいぜいバブル時代まで。いまはほとんどが派遣社員であり、待遇の改善が問題となっているから、氏の十戒は当てはまらないんじゃないかと思う。それでも、21世紀となっても人はあまり変わらないんだなあ、と実感。

私は「ばからしき衣装」の章が面白かった。ホント、いまと変わらないと思うもの。建築家のくだりは特に。デザイン重視のあまり、実用性つまり快適性を無視している建築のなんと多いことか。
また、衣装に顕著に表れるが、日本人は特に流行に飛びつきたがる傾向があるという。それはまるで子どもが新しいオモチャを次々とほしがる姿に似ている。だが、流行はアッという間に忘れ去られてしまう。なにしろ一時流行って売れればいいだけの代物(デザインや質)でしかないので、流行が去った後には使い物にならない。
それは賢いデザインと言えるだろうか、成熟した文化と言えるのだろうか。昨今のデザインに甚だ疑問を感じるこの頃である。(2008/4/9)

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