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茨文字の魔法/パトリシア・A・マキリップ

茨文字の魔法
パトリシア・A・マキリップ

My評価★★★☆

訳:原島文世
創元推理文庫(2009年1月)
ISBN978-4-488-52009-0 【Amazon
原題:Alphabet of Thorn(2004)


十二邦を統べるレインは、新女王に即位した14歳のテッサラの戴冠式で賑わっていた。
一方、宮殿の地下に広がる王立図書館では、書記の少女ネペンテスが書物の解読に勤しんでいた。ネペンテスは、赤子のときに王立図書館に拾われて以来、王立図書館に養育されてきた。

森にある魔術師たちの<空の学院>から、王立図書館に書物の解読が依頼された。空の学校から来た青年ボーンは、ネペンテスに書物を預ける。
その書物は不思議な茨文字で書かれており、誰にも解読不能だった。しかしネペンテスは文字を解読し、古代に世界を征服した<夜の皇帝アクシス>と、その右腕<仮面の魔術師>の、正史から隠された真実の物語であることを知る。
ネペンテスは書物の解読に没頭するが、なぜかボーンをはじめ誰にも見せたがらない。

女王の付きの女魔術師ヴィヴェイは、テッサラが国政に積極的に関わろうとせず、ぼうっとしていることに苛立ちを隠せない。しかもボーンの伯父シール候は、反乱を画策している。
そんな中、<夢見人>と呼ばれ、レインの危機に目覚めると伝えられる初代の王が、テッサラに警告する。「茨に気をつけよ」と。だが、茨とは何のことか?どんな危機が起こるというのか?

********************

茨文字を解読に没頭する孤児ネペンテスと、彼女に恋する青年ボーン。書物に秘められた古代の王と仮面の魔術師の物語。
そして、迫り来る危機を察知して探り続ける女王テッサラ。茨文字とレインの危機がどう関係するのか?茨文字の解読は何を意味するのか?どんな結末になるのか?

幻想に幻想を重ねていくかのような雰囲気があり、構成など全体的に緻密に練られたマキリップらしい作品。
幻想小説を書く人は多くいるけれど、他の作家とマキリップの幻想性は、かなり違うような気がする。根本的なところから違う印象を受ける。何がどう違うのかはわからないけど。
強いて言えば、空中から糸を紡いでタペストリーを織り上げるかのような、重力感のなさとでもいうか。ふわふわしているとかじゃなくて。土着性のなさとでもいうのかな。
マキリップの描く世界は、空間そのものが魔術的なように思う。魔術というのが技とかアイテムではなくて、空間そのものにあるのではないかな。それと人物の心理。人の心が魔術を生み出すかのよう。

物語はとてもゆるやかに進み、なかなか先が読めない。読み終わってみると、「目に見える裏に隠されたもの」というような仕掛けが、何度も繰り返されているのがわかった。これもマキリップらしいのかな。
ラスト間際まで大きな事件が起こるわけではないので、もどかしくさえある。能動的なんだよね、登場人物のほとんどが。たからか、面白いのではあるけれど、淡々としていて盛り上がりに欠けるような。もうちょっとアクションがあってもいいんじゃ・・・と思ってしまう。(2009/3/15)

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