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魔法の館にやとわれて/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

[大魔法使いクレストマンシー]魔法の館にやとわれて
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

My評価★★★★

訳:田中薫子
カバー画・挿画:佐竹美保
徳間書店BFC(2009年5月)
ISBN978-4-19-862742-3 【Amazon
原題:Conrad's Fate(2005)


魔法の館にやとわれて12歳の少年コンラッドは、魔術師の叔父から、前世で悪い業を背負ったため余命は短く、無残な死を迎えると告げられる。理由は、コンラッドは前世である人物を始末するよう求められたのに、それをしなかったからだという。
死を回避するためには、前世でやり損ねたことを、今世でやり遂げること。相手は貴族の館に生まれ変わった人物の誰かだ。

問題の人物を探すため、コンラッドは徒僕見習いの一人として、館に奉公することになった。同じく徒僕見習いにクリストファーがいた。
コンラッドは、クリストファーが夜な夜なベッドを抜け出して館を、探し回っていることに気づく。誰かを探しているらしい。問い詰めると、クリストファーは別世界から来た大魔法使いだという。彼はミリーを探していた。
別世界の学校を飛び出した大魔法使いミリーは、この世界にやって来て、この館のどこかにいるはず。どうやら、その場所から出られなくなっているらしい。
コンラッドはミリー探しを手伝う。しかし館には奇妙なところがあり、頻繁におかしなことが起こる。いったいなぜ?

********************

クレストマンシー・シリーズの一冊で、『クリストファーと魔法の旅』の数年後。次代のクレストマンシーとなるクリストファーの少年時代の物語。
学校になじめず飛び出したミリーを探して、コンラッドの世界にやって来たクリストファー。クリストファーは、ミリーのことで後見人であるクレストマンシーのゲイブリエルとケンカし、家出して来たのだった。作者お得意の、「大人はわかってくれない」パターン。
そのクリストファーは15歳ぐらいなので反抗期でもあり、昔のイギリスなら15歳は成人年齢だから(1969年からは18歳)、子ども扱いして彼の意見を認めてくれないゲイブリエルに腹立ちをおぼえるのかも。
クリストファーの性格もあるのでしょうが。些か鼻持ちならない性格になっちゃったけど、彼の境遇では仕方ないのかも。なんといっても彼が信じているのはミリーだけだからねえ。

一方、叔父から死を免れるためには、館のある人物を始末しなければならないと告げられたコンラッド。こちらは肉親が一番厄介だというパターン。これらのパターンはこのクレストマンシー・シリーズに顕著なのだけれど、ひょっとしてこれはパターンというよりも「テーマ」なのかな。

コンラッドとクリストファーは境遇が似ている。だからクリストファーは親しみを感じたのかも。しかし、もしコンラッドの性格がクリストファーと同様だったら、クリストファーは親しくならなかったのではないかなあ。
コンラッドの人を信じることができる性格は、クリストファーには無いもの。だからこそ、クリストファーコンラッドに惹かれるのでは。

物語は館の異変と秘密など、二重三重の仕掛けが加わって展開していく。そのため、先の展開を予測しにくくなっているところがいい。反面、説明がくどく冗長になってしまった感があるけれど。
ラストは6年後、コンラッドとクリストファー、ミリーのその後が描かれている。私は彼ら、正確には6年後のクリストファーに安堵しました。少年時代の彼は孤独過ぎたからね。(2010/8/29)

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