スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

野草/魯迅

野草
魯迅(Lu Xun)

My評価★★★☆

訳・解説:竹内好
岩波文庫(1980年7月改訳)
ISBN4-00-320251-1 【Amazon
原題:野草(1927)


日本では「ろじん」の名で知られる魯迅(1881-1936,Lu Xun,ルーシュン)は、日本で最も知名度の高い中国人作家ではないだろうか。
本書は1924~26年にかけて書かれた24篇の散文、詩、短文から成る。随筆、詩、戯曲風、短篇小説風、日記風などスタイルは様々だが、それぞれに含蓄があって奥が深い。
魯迅の本は初めて読むのだが、本書にして正解だったと思う。魯迅の人となりや考えが大体わかったような気になれた。

ほぼ全篇に死、欺瞞、絶望といったイメージが伺えるのだが、それは魯迅の生きた時代を考えると当然のことかもしれない。魯迅は中国史上において、激動・混迷の時代に生きた人。そのせいかどうか、作者の性格が垣間見えるのだが、激しい性格でアクの強い人、気難しい人という印象を受ける。
1920年代の中国は、国民党と共産党が熾烈な抗争を繰り返した時代であり、魯迅だとて時代と無縁ではいられない。『希望』において「すべてが空虚になった」と語っているように、混迷する社会に対して虚しい想いを抱いていたようだ。
けれども、本書から作者の本心を読み取るのは、案外に難しい。翻訳なので断言できないが、文章は明確で読みやすいのだけれど、それとは裏腹に作者の説明が少ないので、その意図を考えてしまう。なんとなくは察するのだけれど、それでわかったつもりになると危険にような気がする。
思うのだけれど、魯迅には諧謔的なところがあるのではないだろうか。文面をそのまま鵜呑みにしてはいけないような、一筋縄ではいかない印象を受ける。
この本から魯迅に入るのはいいのだが、その内容の真意は判断し難いように感じた。(2006/7/28)

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへにほんブログ村 本ブログ 海外文学へ

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

H2

Author:H2
My評価について
=1ポイント
=0.5ポイント
最高5ポイント

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。