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海のたまご/ルーシー・M・ボストン

海のたまご
ルーシー・M・ボストン

My評価★★★★

訳:猪熊葉子
挿画:Peter Boston
岩波少年文庫(1997年9月)
ISBN4-00-112142-5 【Amazon
原題:THE SEA EGG(1967)


トビーとジョー兄弟は、両親とともにイギリス・コーンウォールの海岸の別荘で夏休みを過ごしていました。ある朝、岸辺を散策していたトビーとジョーは、エビ獲りのおじさんから、海で拾った石を見せてもらいます。
その石は緑色に白い筋が入り、黒い斑のあるきれいな石でした。何より完璧な卵形をしていたのです。トビーとジョーは、石を見た瞬間「海のたまご」だと思いました。
しかもトビーとジョーが石を持つと、海のたまごの中で、何かが動いていたのです!
お小遣いを払って卵を譲ってもらったトビーとジョーは、岬の奥に隠された秘密の「岩のプール」に海のたまごを置きました。
でも、ずっとたまごに付きっきりでいるわけにはいきません。別荘に帰った二人はたまごのことで気もそぞろ。
ボートに乗ってアザラシを見物していたとき、二人はたまごが孵ったことを知りました。たまごから孵ったのは・・・?

********************

「海のたまご」から孵ったのは何なのかは、あえて伏せました。それはトビーとジョー兄弟と共に、焦がれ驚き感歎してほしいからです。
卵から孵った生き物やアザラシたちと仲良くなる、トビーとジョーのひと夏の冒険物語なのですが、むしろ主役は不思議な生き物でもトビーとジョーでもなく、「海」ではないでしょうか。

ルーシー・マリア・ボストン(1892-1990)といえば、イギリスで最も古い館を舞台とした『グリーン・ノウ』シリーズが有名ですが、内陸を舞台としたグリーン・ノウから一変して、これほど躍動感のある海を描けるとは意外でした。
トビーとジョーは生き物とアザラシたちを通じて、これまで知り得なかった海の様々な面を体感していきます。
海の匂い香り音、おだやかさと荒々しさ、美しさと神秘と危険。体験することによって、兄弟はより海と触れ合い、海の奥深さを知るのです。
潮の香りに波の音、太陽や月に照らされ刻々と表情を変える海。読む側も兄弟と共に五感と皮膚で海を感じるのでは。私は読んでいる間中、潮騒の響きが聴こえてくるようで、海へ行きたくてたまらなくなりました。(2003/12/25)

追記:ながらく絶版状態でしたが、2010年10月、岩波少年文庫創刊60年記念リクエスト復刊しました。(2010/11/17)

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