スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

冬のオーレ/ベッティーナ・アンゾルゲ

冬のオーレ
文・絵:ベッティーナ・アンゾルゲ

My評価★★★★

訳:とおやまあきこ
福武書店(1983年10月)[絶版]
ISBN4-8288-1211-3 【Amazon
原題:OLE WINZIG(1980)


両親を亡くして、村の人たちに育てられたオーレ。
オーレはいつまでたっても小さいままなので、村人たちの笑い者。オーレは育った村を飛び出して、新しい村を目指しました。
冬の森でオーレは、親切なカラスの夫婦に出会います。カラスの夫婦はパンくずをもらう代わりに、新しい村探しを手伝ってくれました。
オーレたちはオオカミの王様に出会います。オオカミの王様は、魔法使いに頼まれて、オーレを迎えに来たというのです。

やがてオーレは青いガラスの家に住む老人のもとに着きました。この老人が魔法使いだったのです。
魔法使いの持っている「遠めがね」を借りたオーレは、美しくて不思議な景色を見ました。でも、もっとよく見ようとするとパッと消えてしまいます。どうして?
魔法使いは、オーレがまだ本当のものを見ていないからだと言うのです。もう一度遠めがねを覗き込んだオーレは、ベッドにふせっている小さな女の子リースヒェンと、その傍らで悲しそうな顔をしている少女の両親を見ました。
リースヒェンは、他の子どもたちにどもりを笑われて、病気になってしまったのです。オーレはリースヒェンを助けるために、少女の住む村へと向かいました。

********************

ドイツの冬の森のメルヒェン。なんとも不思議なお話です。
魔法使いはどうしてオーレを見初めたのでしょうか?オーレが遠めがねで見た美しい景色はなんだったのでしょうか?美しい月の光の家は?
すべてがミステリアス。これらの説明は一切ありません。理屈なしに摩訶不思議な物語が語られる昔話のように、このお話も昔々の出来事として語られています。もっとも作者の創作ですが。

魅力的な物語ですが、なによりも透明感のある絵が美しいのです。とても豊かな詩情のある絵で、一葉一葉がそれぞれ物語を秘めているかのよう。
一口に冬の森や冬空といっても、天候や時間帯や天候によって表情が変わるように、自然はいろんな表情を見せます。そうした風景や色彩が巧みに表現されているんです。
冬の森(野原)のキンと冷たく清んだ空気感と静寂感、広漠とした空間が、独特の美しい色彩で描かれています。
雪が音を吸収してしまうので、冬の森はとても静寂になり、そのため寂しく感じるんですよね。そうした感覚も巧みに表現されていると思います。
おそらく作者は、とても森を好きな人のはず。森に近い場所で暮らしているか、かつて暮らしていたのでは。そういう人でないと描けない絵だと思うんです。(2009/2/6)

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへにほんブログ村 本ブログ 海外文学へ

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

H2

Author:H2
My評価について
=1ポイント
=0.5ポイント
最高5ポイント

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。