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白い森のなかで/スーザン・ジェファーズ

白い森のなかで
文:ロバート・フロスト,絵:スーザン・ジェファーズ

My評価★★★★★

訳:尾崎左永子
ほるぷ出版(1983年2月)
ISBN4-593-60175-4 【Amazon
原題:STOPPING BY WOODS ON A SNOWY EVENING(1978)


鉛筆画に少しの部分だけ色鉛筆で彩色された絵本。
白く雪の積もった森に、おじいさんは仔馬に馬車を引かせて村からやって来ました。雪の上に仰向けに寝て、人型を作るおじいさん。森の動物たちはビックリして逃げ出し、藪に隠れてコッソリとのぞいています。
おじいさんは馬車の荷台をゴゾゴソとかき回しました。そして森の動物たちへ、乾草や木の実を置いていきます。
雪の花が降りはじめるなか、おじいさんは家族の待つ村へと帰って行きました。

********************

ストーリーを説明するとあまりにもそっけないのですが、原文はアメリカの詩人ロバート・フロスト(18744-1963)の詩集『ニャーハンプシャー』のなかの一編。
フロストは特にニューイングランド地方の夕暮れの美しさや、静かで素朴な冬を謳った詩で知られるとのこと。

素朴な喜びを表した文章もいいのですが、何といってもスーザン・ジェファーズの描く雪の森が素晴らしい。
余白を残しながら、鉛筆のトーンを微妙に変えて白い森の奥行きを表現しています。鉛筆画特有のやわらかさと温かみが、深閑とした森によくマッチしています。
広い森の裸木に積もった雪の重さ、くねった枝々のしなり具合。冬枯れた森の木や草。樹間からコッソリと、おじいさんのすることをのぞく動物や小鳥たち・・・。
冬の森はとても静かですが、そこにはひそやかに動物や小鳥たちが息遣いています。ジェファーズはそんな冬の森の息遣いを描いていると思うのです。

どのページも、積もった雪の質感と温もりが感じられます。
雪は積もってしまうと、降っている間よりも寒く感じないんですね。吹雪のページでさえ、冷たさと同時に、何もかもを包みこむ温もりが感じられるんです。
おじいさんは吹雪のなかを村へ帰って行くのですが、自然のなかではいかにもちっぽけな存在でしかありません。おじいさんも森の動物たちと同じように自然の一部である、という印象を受けました。

しんとした白い冬の森。実際に行くのは大変ですが、この絵本のなかで森に想いを馳せ、動物たちの息遣いに耳をすましてみる。そんな感覚のする絵本でした。(2001/12/12)

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