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ボルジア家の黄金の血/フランソワーズ・サガン

ボルジア家の黄金の血
フランソワーズ・サガン

My評価★★

訳:鷲見洋一
新潮文庫(1990年5月)[絶版]
ISBN4-10-211821-7 【Amazon
原題:LE SANG DORÉ DES BORGIA(1977)


1492年ヴァティカン。ロドリーゴ・ボルジア枢機卿は法王選出され、アレッサンドロ六世と名乗った。
彼はチェーザレ、ファン、ルクレツィア、ホフレの子どもたちを身辺に呼び寄せた。そしてチェーザレを枢機卿にし、溺愛しているファンを教会軍総司令官に、ルクレツィアをミラノのスォルツァ家に嫁がせ、ホフレにはカラブーリア公の王女サンチャを嫁に迎えさせる。

チェーザレは枢機卿の座に我慢できなかった。彼は教会軍総司令官となって指揮を執り、イタリア統一を夢みていた。
チェーザレとルクレツィアは愛し合い褥を伴にしていた。二人は自分たちでイタリアを手中にしようとする。
しかしルクレツィアはアレッサンドロ六世の命令で政略結婚。チェーザレは嫉妬からルクレツィアの夫を暗殺する。そしてサンチャを利用してファンを葬り、軍を指揮してイタリア統一へ乗り出す。

********************

一言でいえば、チェーザレとルクレツィアの昼メロ。
小説というより戯曲といった感じが強く、背景は書割り、セリフはト書きに近い。法王庁外の出来事までも法王の台座が語るという設定。
ダ・ヴィンチやマキャヴェルリなど歴史上の人物を配しているのだが・・・。どこを切り取っても、いかにもTVドラマ的。
訳者あとがきによると、この作品は1977年に放映されたフランスのテレビ映画用にサガンが書いた脚本を、エチエンヌ・ド・モンプザの協力のもとに小説化したもの。元々がTV用のためか歴史色は薄れており、人物は凡庸で中身がない。

ボルジア家については、陰謀・淫欲という手垢にまみれたイメージが強い。この時代の法王は特に政治家色が強かった、というよりも政治家である。法王とはいえ、当時のイタリアを生き抜くには、政略結婚だけでは時代の荒波を乗り越えれなかったはず。しかし、政治的手腕については全く触れられていない。
ボルジア家のような一族が、なぜ当時のイタリアに存在しえたのか。どうしてチェーザレはイタリアを統一したいのか、なぜ15世紀イタリアにおいてチェーザレのような存在が突出したのか、そういうことは省かれている。陰謀・淫欲・・・それだけでチェーザレのような存在を著すことは無理がある。
だが、元々歴史小説を書くつもりはないというような意味にもとれるサガンの言葉が、あとがきに載っている。
歴史小説と思って読んだのでアテが外れたが、もしも私がボルジア家について何も知らず、十代の時にでも手にしていたら、ひょっとしてそれなりに読めたのかもしれない。(2004/2/27)

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