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青い空/ヨゼフ・チャペック

青い空
絵:ヨゼフ=チャペック,詩:フランチシェク=フルビーン

My評価★★★★☆

訳:井出弘子+協力:高木あきこ
偕成社(1979年8月)
ISBN4-03-961040-7 【Amazon
原題:MODRÉ NEBE(1948)


ヨゼフ・チャペック(1887-1945)は、作家カレル・チャペック(1890-1938)の実兄で、チェコを代表する画家。チェコスロヴァキア時代、チェコのフロノフに生まれました。
画業の他に、本の装丁とデザイン・作家・劇作家・ジャーナリストとして活躍。日本では、主に弟カレルの本の挿絵で知られているのではないでしょうか。

ヨゼフは晩年、ナチス・ドイツの収容所を転々とさせられ、亡くなった場所はアンネ・フランクもいた収容所だったそうです。
訳者あとがき(1997年2刷)に、1944年にザクセンハウゼンの収容所で書かれたヨゼフの詩が紹介されています。

あの 大空の青
そんな青い絵を わたしはかきたい
いつも喜びと幸せにみちていた
ふるさとの家から立ち登る うす青い煙
そして 子どもたちのあそびのなかの青
わすれな草の花のように青く
つぐみのさえずりのように青く
あやめやつりがね草が 花開くとき
たくさんの青いうたが 生まれ
私の愛する人のリボンも青かった・・・


上記の詩から、彼が愛し願った世界がわかりますよね。その気持ちを収容所でも失わなかったのです!
訳者によるあとがきでは、本書刊行に至る経緯についても触れています。ヨゼフの死から3年後の1948年に、生前にヨゼフが描いた絵の中から、子どもの情景を描いた15作品を選び、チェコの代表的詩人フランチシェク・フルビーン(1910-1971,ボヘミア生まれ)の詩をそえて発刊されたとのこと。

ヨゼフ・チャペックが収容所で書いた詩。そして彼が遺した、子どもたちの遊んでいる情景を描いたパステル画。
その絵は子どもたちのなにげない日常を描いています。ゲームなどのない時代、子どもたちは自分たちで遊びを考えました。子どもたちは野外で様々な遊びに興じます。いまの日本では見られなくなった姿ですね。
極端に単純化された線は、一見するとラフスケッチのように思われますが、サインに添えられた日付けからすると、かなり長期間にわたって描かれたことがわかります。
子どもたちの動きが実に的確に捉えられていて、いま何をしていてどういう動きをしているのかといった躍動感が、とてもよく伝わってくるんです。そして豊かな色彩をイメージさせる色遣いとタッチ。ヨゼフ・チャペックの非常に優れた画才が窺えます。
ヨゼフの絵に、フルビーンはピッタリの詩をつけています。ユーモアと愛らしさがあり、生き生きと楽しく、なによりも愛情に満ちている詩です。

ヨゼフ・チャペックが絵と詩に遺した、愛すべき子どもたちが安心して暮らすことのできる平和な世界・・・。平和とはどういうことなのかが伝わってくる絵本でした。(2006/6/23)

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