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夢の守り人/上橋菜穂子

[守り人シリーズ]夢の守り人
上橋菜穂子

My評価★★★★☆

カバー画・挿画:二木真希子
偕成社(2000年6月)
ISBN4-03-540230-3 【Amazon


新ヨゴ皇国へ戻って来たバルサは、追われていた男ユグノを助ける。旅の歌い手ユグノは、『リー・トゥ・ルエン<木霊の想い人>』だった。木霊の想い人とは、精霊に愛された人と言うか、精霊たちを視ることができ、語りかけることができる。ユグノーは20歳ぐらいに見えるけれど、実は52歳だった!

タンダは、原因不明で眠り続ける姪のカヤを見舞っていた。カヤは魂が体から離れて彷徨っているのだ。
呪術師トロガイはカヤが眠り続けている原因を、異界で人の夢を糧にして咲く<花>のためだと考える。花は受粉するために、多くの夢を必要としており、この世をはかなく思う者が花の夢に捉えられる。
カヤの他に一ノ妃も眠り続けていた。そしてチャダムも・・・。

タンダはカヤを救おうとするが、花番に捕らえられて<花守り>にされてしまう。花守りの役目は、<風>を探し出して連れ戻すこと。受粉が行なわれたときが、夢から目覚めるチャンスだった。
花番の様子がどうもおかしい。悪夢と化した花番に体を乗っ取られたタンダは、ユグノーを連れたバルサに襲いかかる!?

********************

シリーズ3作目。1作目の『精霊の守り人』を読んでいないと登場人物の関係を把握できないので注意。バルサの心境が変化していったりするので、刊行順に読んだほうがいいみたい。
タンダとバルサの関係に、微妙な変化が起こります。タンダとバルサ、そしてリアノの、愛するがゆえの強さと脆さ。また、チャダムの成長ぶりや、呪術師となる以前のトムカことトロガイの意外なロマンスもあり、変化に富んでいます。

前作までは女用心棒バルサが関わることによって国に変化が起こるのですが、今作は国政というものに関わりはなく、内的世界での話。
人の夢を糧にして生きる花。その花が見せる夢に、魂を囚われる人々。
岐路に立たされたときに、そのときは英断と思われる判断を下して結果としてそれが正しくても、もしも違う道を選んでいたら?と思わない人はいるでしょうか。失った人々や失われた時間を懐古しない人がいるでしょうか。花が見せるのはそんな夢。その夢はなんだか哀しくむなしい。
夢は夢でしかない。だからこそ魅せられるのかもしれません。でも生きるということは、痛みを痛みとして抱きながらも前に進むこと。なんて言うは易し・・・。

花は死の抱擁と生の喜びという両面性を持っています。
冥界に咲くかのような花が、生への歓喜にはじける。死の影に満ちた願望の世界から、五感と肌を揺さぶり体感できる生の世界へ     
めくるくめく歓喜の爆発、舞い上がる魂。それはまるで正と負の両極に働き、正から負へと、負から正へと回転するエネルギー。そんなエルネギーが、良くも悪くも人に内在するものなのだ、と言わんばかりのように思われてなりません。(2003/3/2)

備考:2007年12月、新潮文庫化【Amazon

精霊の守り人
闇の守り人
+夢の守り人
虚空の旅人
神の守り人<来訪編>
神の守り人<帰還編>
蒼路の旅人
天と地の守り人(第1部)
天と地の守り人(第2部)
天と地の守り人(第3部)
流れ行く者[守り人短編集]

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