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天と地の守り人(第3部)/上橋菜穂子

[守り人シリーズ]天と地の守り人(第3部)
上橋菜穂子

My評価★★★★☆

カバー画・挿画:二木真希子
偕成社(2007年3月)
ISBN978-4-03-540340-1 【Amazon


『天と地の守り人』最終巻にして、守り人シリーズ完結編!
バルサはチャグムと別れ、すでに戦端が切って落とされた新ヨゴ皇国に戻ってきた。そして、草兵として徴集されたタンダの行方を捜す。一方、チャグムはロタ・カンバル軍を引き連れ、新ヨゴ皇国へと帰還する。

時同じくして南のタルシュ帝国では、皇帝オーラハンが崩御。ハザルー王子と第二王子ラウルのどちらを次期皇帝とするかは、オーラハンの右腕で枝国出身の太陽宰相アイオルの判断に委ねられる。
そんな帝国には、枝国の不満がくすぶっていた。ハザール王子とその宰相は不満分子を利用して、ラウル王子の追い落としにかかる。
ラウル王子のターク<鷹>(密偵)のヒュウゴは、ラウル王子の不興を買って牢に捕らえられる。だが、太陽宰相が何をもって次期皇帝を選ぶのかに気づいているのは、枝国出身のヒュウゴだった。

新ヨゴ皇国では、呪術師トロガイが各地に警告を発するべく、命を賭して秘術に挑もうとしていた。星読博士シュガは、この地に都を築いた初代の大聖導師ナナイの意図を知る。
バルサが避難民たちを他国へと脱出させ、瀕死のタンダと再会する中、チャグムは宮殿で父帝と対峙。父子は袂を分かつ。戦争という人災と、ナユグが春を迎えることで起こる天災。
新ヨゴ皇国は、二つの災厄から救われるのか     

********************

10年ほどにわたって書き続けられたシリーズが、ついに完結。シリーズを通じて、人種を超えた、人種にとらわれない国のあり方が問われているように思われます。

シリーズ当初は子どもだったチャグムが、やがて青年になり、この巻では為政者としての大人へと成長。それはチャグムにとって辛い成長ではあります。皇太子という立場である以上否応ないとはいえ、その都度その都度、チャグムが選択し続けた結果なのです。

タルシュ帝国では二人の王子のうち、どちらが次期皇帝にふさわしいか資質が問われます。この点、事情は異なれどもタルシュの王子とヨゴ皇国の帝に共通しているような。
人は信じたいことしか信じない。それゆえ、見たくないものから目を逸らしてしまう。しかしそうしている限り、為政者としては失格でしょう。国とは、民あってこそ。

『天と地の守り人』で、新ヨゴ皇国はタルシュ帝国の侵略と、ナユグの影響による天災という二つの脅威に晒されます。
チャグムはどう乗り切るのか。最大の難関は、父である帝。チャグムが国を救うためには、帝との対決は避けられない。それは、バルサには立ち入ることのできない、チャグム自身が解決しなければならない問題。その点はある意味、天災がチャグムを苦渋の決断から救ったと言えるんでしょうねぇ。

ラストは大円団!タルシュもヨゴも、ロタとカンバルも新しい時代を迎えるんです。
しかし、いささかモヤモヤ感が残りました。私にはなぜかスッキリしないんですよねえ。チャグムが立派すぎることと、あまりにも巧くまとまりすぎたため冷めてしまい、あまりカタルシスを感じなかったなあ。
でも、ここからまた日々の営みが続いていくわけです。そうした日常の営みが続くということにこそ意味があるのだと作者が言っているような気がしてなりません。当たり前な日々の営みの続くことこそが、最も大切なのだと。(2008/9/2)

備考:2011年5月、新潮文庫化【Amazon

精霊の守り人
闇の守り人
夢の守り人
虚空の旅人
神の守り人<来訪編>
神の守り人<帰還編>
蒼路の旅人
天と地の守り人(第1部)
天と地の守り人(第2部)
+天と地の守り人(第3部)
流れ行く者[守り人短編集]

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