スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

月のしかえし/アラン・リー

月のしかえし
文:ジョーン・エイキン,絵:アラン・リー

My評価★★★☆

訳:猪熊葉子
徳間書店BFC(1995年11月)
ISBN4-19-860397-9 【Amazon
原題:THE MOON'S REVENGE(1987)


月のしかえしヘンリー八世の御世(在位1509-1547)のイングランド。
馬車作りの七番目の息子のセッピー。お父さんも七番目の息子だった。セッピーはお父さんの仕事を手伝いながらも、本当はバイオリンを作り、国一番のバイオリン弾きになりたいと願っていました。
おじいさんは国一番のバイオリン弾きで、その音色に戦争をしていた二人の王様も手を止めて聴き入ったほどだったのです。

セッピーの暮らす小さな港町に、一軒の荒れはたて空き家がありました。空き家なのに話し声がするため、みんなは悪魔が住んでいるとうわさしています。
でもセッピーは天使かもしれないと思い、国一番のバイオリン弾きになるためにはどうしたらいいかと尋ねに行きました。
セッピーは、教わったとおりにやって月願かけをするのですが、それが月を怒らせてしまいます。
怒った月はしかえしをするのですが、セッピーは意に介しません。しかし月のしかしは、産まれたばかりの妹にも及んでしまったのです!

七年が過ぎ、妹はもうすぐ七歳になります。その間、セッピーは幽霊の王様に出会ったりしながらも、こっそりとバイオリンの練習を続けました。
ある日、小さな港町に不吉な前兆が起きました。そして、海から恐ろしいものがやってきた!そのときセッピーは・・・。

********************

現代イギリスを代表する児童文学作家のジョーン・エイキンの文章に、指輪物語のイラストで有名なアラン・リーの流麗なイラストが添えられた絵物語。なにしろ両者ともに実力派なので、完成度がとても高いです。
神話的でときに謎めいていて、英雄的であり、ユーモアもあるんですよ。
セッピーは教わった願掛けの方法で月を怒らせてしまうのですが、その方法はちょっとユーモラスでもあるんです。アラン・リーのイラストにも、海からの脅威の正面の顔にはユーモラスさがあります。

リーのイラストは構図も彩色も流石に美しく、とても素晴らしいです。ですが絵本としてみた場合、私にはしっくりこないんですよねぇ。
確かに素晴らしいイラストです。けれど出来すぎているというか、絵本としての面白味は感じませんでした。指輪物語のイラストは大好きなのだけれど。

私の考える絵本とは、想像力を刺激する絵であること。読む者がその人なりに、絵から自由に空想を拡げて楽しめるものであること。そうしたところが、イラストレーターと絵本画家との違いではないかと思うのだけれど。
そのような余地を、リーのイラストには感じないんですよ。
私には、各場面がキッチリ描かれており、場面ごとにイラストが完結していて、描かれていない場面を想像するのが困難でした。自由に空想する余地がない、という印象を受けました。(2011/8/1)

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへにほんブログ村 本ブログ 海外文学へ

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

H2

Author:H2
My評価について
=1ポイント
=0.5ポイント
最高5ポイント

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。