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シカゴよりこわい町/リチャード・ペック

シカゴよりこわい町
リチャード・ペック

My評価★★★★☆

訳:斎藤倫子
東京創元社(2001年2月)
ISBN4-488-01396-1 【Amazon
原題:A Long Way from Chicago(1998)

目次:プロローグ/ショットガン・チータムのこの世で最後の晩/牛乳の中のネズミ/女ひとりで犯罪急増/審査の日/ブレーキマンの幽霊/羽のあるもの/百周年記念の夏/軍隊輸送列車


1929年、アル・カポネらギャングが跋扈していた禁酒法時代のシカゴ。
夏休みを父方の祖母の住む田舎で過ごすことになった、主人公で9歳のジョーイと、7歳の妹メアリー・アリス。
兄妹は鉄道に乗って、イリノイ州シカゴから、同じ州の田舎町へ向かう。そして1935年まで、毎夏を祖母の元で過ごすことになる。

おばあちゃんは世間付き合いが大嫌い。しかも大法螺吹きで、なんと夫の形見の二連式ウィンチェスター銃をぶっ放つ。法は無視する、詐欺紛いのことをする、恐喝するのもなんのその。保安官だって恐くない。
おばあちゃんは他の人のことなんて知ったことかと言いながらも、独特の方法で町に法と秩序をもたらす。

当初、田舎は長閑で退屈だと思っていた。しかし、ギャングのいるシカゴではなく、田舎町で生まれて初めて死体を見た!毎年毎年、とびっきりの事件が持ち上がる。

********************

いやあ、愉しかったあ。ともかくおばあちゃんが痛快!
元々短篇とした書かれたけれど、それを一冊にまとめて長篇形式にしたのだそうです。1999年にニューベリー賞の次席に選出。
ジャンルとしては、児童またはヤングアダルトになるだろうけど、子どもだけに読ませておくのはもったいないですよ。

田舎町は死ぬほど退屈だと思っていた兄妹。でも破天荒なおばあちゃんがいれば、何が起こるのかわからない。
メアリー・アリスが「おばあちゃんは兄妹の良い手本になるとは思えない」と言うけれど、正にその通り。
良い手本になろうとする気持ちはサラサラないんだろうな。でも悪い人ではない。褒められるのが照れくさいのだろう。
口は悪いし型破りだけれど、いい人なんですよ。口には出さないけれど、プス・チャップマンおばさんや放浪者、エフィへの態度からハッキリとわかります。
おばあちゃんの心情や社会を風刺している部分は、子どもよりも、大人の方が推し量ることができると思います。
「軍隊輸送列車」では、成長したジョーイが第二次世界大戦へ参加する訓練のため列車に乗り込み、おばあちゃんの家の前を通り過ぎます。このとき、おばあちゃんのとった行動にホロリとさせられました。

作者のリチャード・ペックは18歳まで、アメリカ中部イリノイ州で過ごしたのだそうです。故郷を舞台にしたからか、どこかノスタルジーが漂っています。
痛快さとノスタルジーがあり、風刺が効いていたりと、たんに面白可笑しいだけの小説ではないところが魅力的でした。(2006/8/11)

+シカゴよりこわい町
シカゴより好きな町

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非公開コメント

No title

「海外文学」のメンバーです。初めまして。
この話、私も気に入っています。ほんとうに傑作なおばあちゃんですよね(2010年12月18日に感想をupしました)。
『シカゴより好きな町』も続きに読むつもりでしたが、まだ本が手に入らなくて……。そのうちきっと読みます。

はじめまして

nishinayuuさん

ご訪問ありがとうございます。ブログは時々ですが拝見しております。

このおばあちゃんいいですよね!豪快で憎めないとこもあって。
3作目の「シカゴよりとんでもない町」も邦訳されているのだそうです。私はまだ味読なのですが・・・。
Amazonのレビューによると、3作目も面白いようです。絶対読まなくちゃと思っています。
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