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りこうすぎた王子/アンドリュー・ラング

りこうすぎた王子
アンドリュー・ラング

My評価★★★★

訳:福本友美子
挿画:ロバート・ローソン
岩波少年文庫(2010年4月)
ISBN978-4-00-114165-8 【Amazon
原題:PRINCE PRIGIO(1889)


りこうすぎた王子昔々、パントウフリアという国に、王とお妃様がいました。二人がようやく授かった赤ちゃんがプリジオ王子でした。

赤ちゃんのためのお祝いの日、お城に妖精たちがやってきて、赤ちゃんにたくさんの贈り物をしました。
ところが、最後の番になった妖精が、利口すぎる王子になるよう贈り物をしたのです。
でもお妃様は賢いので、妖精なんていない、だから贈り物もない、と絶対に信じません。目の前にあっても見ないふりをしました。

さて、プリジオ王子はとてもとてもお利口に育ちました。あまりにもお利口すぎて嫌われるほどに。

ある年、川が干上がったほど暑くなりました。学者たちは暑さの原因を、ファイヤードレイクという火をふく竜のせいだと言います。そこで王様は、プリジオ王子に竜退治を命じます。
ところがプリジオ王子はお利口なので、竜の存在なんてまったく信じていません。だから竜退治なんてナンセンスもいいところ。
そんなプリジオ王子が、竜退治に出かけることしたのです。なぜって?やさしくきれいな外国の大使の娘ロザリンドに、いいところを見せるために!
動機が不純だって?いえいえ、恋は人を変えるのです。

********************

アンドリュー(アンドルー)・ラング(1844-1912)はイングランドの古典学者、翻訳家、詩人、民俗学者。また、スコットランド研究の第一人者だったとか。
スコットランドに生まれ、スコットランドのセント・アンドリューズ大学、グラスゴー大学を経てオックスフォード大学へ。1875年に、ロンドンに移る。

ラングの本で最も有名なのは、世界各地の昔話や伝説などを集めた『あおいろの童話集』など、色の名前のついた12冊の童話集です。
一方、『りこうすぎた王子』は創作童話です。ロバート・ローソンの挿絵は1945年に刊行された版とのこと。ローソンの挿絵は、軽妙なストーリーにピッタリ。

世界各地の童話に通じるラングのこと、誰もが聞いたことのあるアイテムが、ふんだんにちりばめています。
お城に産まれた赤ちゃんがに妖精が贈り物を授けるというのも、すでにどこかで読んだことのあるシチュエーションですよね。でも最後の番になった妖精の贈ったのが、「利口すぎる王子になること」というのだから、おや?と思うでしょ。

利口すぎる王子になると、どうなるのか?
普通の童話では、王子様は眉目秀麗で性格も良く・・・というところですが、プリジオ王子は違うんですよ。一般的な童話の王子様とは性格がかなり異なるんです。
現代人には古典的な性格の王子様よりも、プリジオ王子のほうがシックリするのかな、という気がしなくもありません。ただし、頭がよくても謙遜の気持ちをもち、他人を思いやることは大事でしょう。
そして竜退治。童話(英雄物語)ではおなじみの竜退治も、一風変わっています。なんたってお利口な王子のすることだから、抜け目がないと言うか・・・。

ラングの手にかかると、どこかで読んだことがある素材なのに、どの童話とも調理法が異なるのです。とても軽妙洒脱で愉快なお話でした。(2011/8/27)

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No title

こんにちは
そうか、ラングは、創作童話も書いてるんですね。わけあって、「書斎」を読み返していたところだったんですが、やっぱり童話集をよむほうがいいなと、そんな気分。

No title

jacksbeansさん

おはようございます!
ラングは民話などを採集した童話集が有名だけど、創作童話も書いたことはこの本で初めて知ったんです。創作童話は他にも邦訳されているようです。
創作も面白いですよ。
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