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ふしぎふしぎ妖精の国/ジョージ・マクドナルド

ふしぎふしぎ妖精の国
ジョージ・マクドナルド

My評価★★★☆

訳:田谷多枝子
カバー画・挿画:本圧久子
太平出版社(1978年1月)
ISBN4-8031-2007-2 【Amazon
原題:Cross Purposes(1867)


昔、妖精の女王は退屈していたので、宮殿に人間の子どもをおいてみたくなりました。そして、二人の子どもに決めました。
スイートピーという名の妖精の娘が、女の子の方を連れてくることを名のり出ました。毒キノコという名のゴブリンが、男の子を連れてくると言いました。
女の子はアリスという地主の娘で、可愛いのですが、わがままなところがありました。男の子はリチャードといって、アリスと同じ村に住む貧しい未亡人の子どもでした。

アリスは家への帰り道を絶たれ、リチャードは毒キノコのめくらましの魔法に好奇心を刺激され、それぞれに宮殿を目指します。二人が合流したときアリスは、貧しいリチャードが妖精の国にくる権利はないと思います。
そのリチャードは毒キノコを怒らせ、スイートピーを追い払ってしまい、アリスと二人だけで進まなければならなくなりました。
毒キノコはリチャードに仕返しをしようと企みました。そして、ミミズクや老人、不思議な塔が二人を引き離そうとするのですが・・・。

********************

原題は「いきちがい」というそうで、これはわがままで思慮の浅い少女アリスと、賢く勇敢な少年リチャードの気持ちのいき違いと、それによる道のいき違いの両方を示しているのだと思われます。
一人では道を見いだせず、二人の気持ちが通じ合ったとき、お互いの助力があってこそ初めて道を見いだせるんです。
これまでに私が読んだことのあるマクドナルドの作品は、どれも透明な死の世界といったものが漂っていたのですが、本作はそういうところのない(ゆえにもの足りない)明るい物語なんです。
傘だと思っていたのがガチョウになり、捕まえてみるとハリネズミになったりと、楽しい魔法が展開します。ロマンティックと言えるかもしれません。

マクドナルドの時代は厳然とした階級社会だったでしょうから、現実に地主の娘と貧乏人の子倅が一緒に過ごすことは考えられないことだったはず。
実際にはどうだったのかはわからなりませんが、一般的には自由恋愛が認められていなかったといわれる時代。そのような社会的制約・束縛は、妖精の国にはありません。この点を踏まえておくことは大切ではないでしょうか。しかも妖精の国は、時にも支配されないのです。
マクドナルドには、妖精の国を旅する子どもの物語が多いようです。それらの作品と共通する世界観を本作は有しているのですが、本作がとてもわかりやすいと思います。(2007/4/6)

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