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地球の狂った日/アレクサンドル・ベリャーエフ

地球の狂った日
A・ベリャーエフ

My評価★★★

訳:福島正実,解説:内田庶
カバー画・挿画:山本耀也
国土社・海外SFミステリー傑作選(1)(1995年11月)
ISBN4-337-29901-7 【Amazon


舞台はソ連時代のベルリン。ベルリンに派遣された特派員で、フランスの新聞記者マランバルとロンドンの新聞記者ライリーは、何か面白いニュースはないかと話していた。
そこへギリシアの新聞記者メタクサがやって来て、ソ連とドイツとの間で秘密の条約が調印されたと、こっそり耳打ちした。
マランバルは特ダネをスクープするため、知り合いのウイルヘルミナに、父親のレール氏に会わせてくれるよう頼もうと考えていた。ウイルヘルミナの父親は、ドイツ外務省の官房長官だからだ。
そんなことを考えつつマランバルがホテルへ戻ると、奇妙なことが起こり始めた!
数分前の彼自身の行動が幻(残像)となって見えるのだ。人だけではなく電車や自動車、動くもののすべての数分前の残像が、現時点での物体と同時に見える。いわば映像が二重三重写しになった状態。
異変はベルリンだけではなくドイツや全世界に突如起こり、世界中が大パニックに!いったい何が起きているのか?
マランバルは混乱に乗じて、官房長官レール氏の書斎から秘密文書を持ち出すが・・・。

********************

ロシア(ソ連)のH・G・ウェルズといわれるアレクサンドル・ベリャーエフの奇想天外SF。ネットで検索したみたら、福島正実訳はダイジェスト版で、袋一平訳『狂った世界』(講談社,絶版)が完訳なのだそうです。しかも、後者は福島訳とは登場人物の性格が異なるらしい。
福島訳はいかにもジュヴナイルSFといった感じで、人物造型が軽いんですよね。訳なのかそれとも原書によるのかわからないのですが、書きようによっては大人向けのSFになると思うのだけれど。

でもまあ、この作品の奇想さはストーリー性や人物造型は二の次で、アイデアにあるでしょうね。このアイデアだけでもH・G・ウェルズと比されるのもわかるような。
アイデアといっても夢想的なものではなく、科学的根拠に基づいたもの。私たちが常に接する科学的な現象(だが通常私たちは意識していない)が元にあり、それに想像力を働かせて加味しているのです。ただし作中のようなパニック現象が、実際に起こり得るかどうかは別ですが。
非常に身近で日常的な科学現象が狂ったらどうなるのか、というところが本書の面白さでしょう。(2004/7/24)

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