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マツの木の王子/キャロル・ジェイムズ

マツの木の王子
キャロル=ジェイムズ

My評価★★★★★

訳:猪熊葉子
カバー画・挿絵:セビン・ウネル
フェリシモ出版(1999)
ISBN4-89432-172-6 【Amazon
原題:the Pine Prince and the Silver Birch(1964)


昔、とても大きな林の中心に、マツの王さまと王妃さまの木が立っていました。王と王妃の側には2本の王女さまと、若い王子さまがいました。
王様たちの周りにはマツの貴族や貴婦人がいて、そこは美しいマツだけの土地だったのです。

ある日、このマツの土地に一本のシラカバ木が生えました。美しいシラカバは少女でした。王子はシラカバの少女が好きになり、結婚したいと思っています。
しかし他のマツたちは怒り狂い、きこりに命じてシラカバの木を伐らせてしまったのです。そのショックで王子さまも倒れてしまいました。

マツの木の王子とシラカバの少女は、材木屋へ運ばれて行きました。二人を買ったのは、彫りもの師のおじいさんです。
おじいさんは二人を彫って色を塗り、マツの木の王子を美しい黒馬に、シラカバの少女を銀色の鹿に仕上げました。実はおじいさんの彫った動物には、ジプシーの魔法がかかっていたのです。

時がすぎ、おじいさんが病気になりました。マツ木の王子とシラカバの少女は、医者にかかるお金のないおじいさんを助けるために、自ら売られていきます。
二人が売られていった先はサーカス団でした。サーカスのメリーゴーランド。そこで、二人は子どもたちを背中に乗せることになったのです。

********************

清澄な秋の空気を吸い込んだような、美しくしっとりと、そして凛とした、心が洗われる物語です。ラストでの、秋の澄んだ空にたなびく青い煙りが目に浮かびます。

どんな状況でも二人は、愛し合うことと希望を忘れません。そして、自分たちばかりでなく周りをも幸せにしようとし、他人に責任を押し付けたり、悲しんだりいがみあったりするよりも、自ら責任を引き受けて笑って生きたいと願う。
生きる上での大切な何かが、押し付けがましくなく、沁みとおるように伝わってくるのです。

この本は1960年代に学研から出版されて、その後絶版となっていたものを復刊したもの。
たぶんこの物語は、読む側が歳を経るごとに感慨深さが増すような気がしています。
本当に大切なことは、どれほど時が経っても色褪せない。また、どんな時代になっても普遍的なことは変わらないのではないでしょうか。
いつまでもそっと大切にしまっておいて、歳を経るごとに読み返したい珠玉作でした。(2001/4/29)

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