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ハヤ号セイ川をいく/フィリパ・ピアス

ハヤ号セイ川をいく
フィリパ・ピアス

My評価★★★★★

訳:足沢良子
カバー画・挿画:エドワード・アーディゾーニ
講談社青い鳥文庫(1984年5月)
ISBN4-06-147135-X 【Amazon
原題:Minnow on the Say(1955)


イギリスのケンブリッジシャー州のセイ川沿いに建つモス家。モス家の桟橋に、カヌーが流れてきた。
夏休みで家にいたデビットは、カヌーの持ち主を探し始めます。本心では、持ち主がみつからずカヌーが自分のものになることを願いながら。
しかし、カヌーの持ち主アダム・コドリングと知り合い友だちになります。デビッドとアダムは、二人で修理したカヌーに「ハヤ号」と名付け、共同所有者となりました。

アダムはデビッドに、夏が終わったらバーミンガムへ行って、いとこと暮らさなければならないのだと言う。コドリング家にはダイナおばさんと、歳老いたおじいさんがいて、二人にはアダムを育てる余裕がないからだと。
かつてコドリング家はグレート・バーリー一帯の地主で裕福だったけれど、先祖たちが食い潰したしまったために、いまでは満足な食事が摂れないほど零落してしまった。
アダムは400年前のご先祖ジョナサン・コドリングが隠した宝を探そうとします。その宝さえあればバーミンガムへ行かずにすむから。

コドリング家には、宝のありかを示す詩が伝わっていました。て゜も、一族で詩のナゾを解けたも者はいない。
デビッドとアダムは、ハヤ号に乗って宝探しを始めます。川でスミス氏と出会ったアダムは、スミス氏がコドリング家の宝を狙っているのだと考える。
宝はどこに?スミス氏の狙いは?デビッドとアダムは宝をみつけることができるか?

********************

イギリスの田園を舞台に、カヌーに乗っての宝探し冒険小説。そこに、セイ川沿いの田園ガイド的な部分と、謎解きというミステリー的要素もあって読み応え充分。
しかも詩の謎を解明しても、物語はさらに二転三転するんです。

物語もいいのですが、風景描写が秀逸。見たことのないイギリスの風景が、目に浮かぶようです。
宝探しというと、森の中や廃墟といった人里離れた場所を想像しがちだけれど、子どもたちにとっての身近な場所が舞台となっています。でも、いざ探検してみると知らないことばかりで、まるっきり見知らぬ地のよう。
二人の少年はハヤ号でセイ川で辿るのですが、その際にハヤ号から見える風景がたまりません。セイ川は大きな川ではなく、町を流れる水路と考えたほうがいいでしょうか。
蔦かずらに覆われたアーチ型の橋の下を潜ったり、橋の上に製粉所があったり、牧草地が広がっていたりと、のどかなイギリスの田園風景。そんな景色の中でカヌーを漕ぐ少年たちが、うらやましい。

私としてはデビッドより、アダムに親近感が持てました。アダムは、おじいさんのことにグッと堪えるかと思えば、ときには癇癪を起こすんです。デビッドは賢くて良識的で、ちょっといい子すぎるかな。
また、登場人物がそれぞれに味があって、デビッドの父親モス氏、人はいいのだけれどちょっと過保護気味なモス夫人、スキーク、テイ夫妻、そしてスミス氏・・・。みんな、いかにも実在しそうな性格なんですよね。作者はそういう人たちを、ちょっとからかっているかのような印象を受けました。(2002/11/4)

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