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シチリアを征服したクマ王国の物語/ディーノ・ブッツァーティ

シチリアを征服したクマ王国の物語
ディーノ・ブッツァーティ

My評価★★★★☆

訳:天沢退二郎・増山暁子
挿画:ディーノ・ブッツァーティ
福音館文庫(2008年5月)
ISBN978-4-8340-2352-7 【Amazon
原題:LA FAMOSA INVASIONE DEGLI ORSI IN SICILIA(1945)


シチリアを征服したクマ王国の物語昔々、シチリアの山の中で平和に暮らしているクマたちいた。
ある日、クマたちの王レオンツィオと、幼い王子トニオがキノコをとっていたとき、トニオが猟師にさらわれしまった。

何年か過ぎ、クマたちは激しい飢えに苦しみ、ついに人間のいる平地に降りることにした。シチリアの大公は軍隊を差し向けた。
宮廷お抱えの星占い師で魔法使いのデ・アンブロジイース教授は、二度しか使えない魔法の棒を持っていた。その魔法でクマたちをやっつけようとする。
クマたちは、魔法使いに幽霊、人食い鬼、ばけ猫に襲われたりと、犠牲を払いながらも進軍する。目指すは大公の城!
その一方、レオンツィオ王は行く先々でトニオを探す。トニオ王子はどこに?

13年が過ぎ、シチリアではクマたちと人間が平和に暮らしており、クマたちは人間と同じように服を着飾り、お金を使って生活していた。一見平穏そのものだが、レオンツィオ王の知らないところで悪だくみが進行していた!?
クマのジェルソミーナ(私立探偵)は王に忠告しようとするが・・・。

********************

ディーノ・ブッツァーティ(1906-1972)は、幻想的な作風で知られるという北イタリアの作家。
本作は、子どものための新聞に連載されたものだそうです。邦訳は1987年に同社から刊行されて以来、長らく絶版でしたが、文庫にて復刊したのが本書。
挿画(モノクロとカラー多数)もブッツァーティの手によるものだとは思っていませんでした。
物語もいいけれど、絵もいいんですよねえ。ユーモラスなところがあって、なかなかに味があるんです。裸のクマたちがかわいいし。
ブッツァーティは画家としても有名で、絵本も出しているのだそうです。今回初めて知りました。

山の中で素朴に暮らしていたクマたちが、飢えと寒さに苦しむあまり人界に降りた。そのため大公軍と戦うはめにります。
物語は、勇敢だったり賢かったり、ユーモラスだったり、間抜けだったり。悪役かと思えば結構いい人だったりするし。そうそう、空とぶイノシシ!?思わず想像しちゃいました。そして、ときには涙を誘ったり。面白おかしく、やがて哀しい。物語としての醍醐味がてんこ盛りといった感じでした。

前半はクマたちがシチリアを征服するまで。後半は13年後になっています。
人間たちと交わって暮らすうちに、クマたちは変わってしまうんですよ。クマたちは人間の文化や風習を身につけるのですが、これがまた・・・。人間社会の風刺ですね。
これから読む人の楽しみを削ぎそうなのであまり書けないのですが、子どもだけではなく大人も楽しめる物語だと思います。(2011/9/28)

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