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テムズ川は見ていた/レオン・ガーフィールド

テムズ川は見ていた
レオン・ガーフィールド

My評価★★★☆

訳:斉藤健一
カバー画:ケニー・マッケンドリー
徳間書店BFT(2002年12月)
ISBN4-19-861625-6 【Amazon
原題:THE DECEMBER ROSE(1986)


ヴィクトリア朝のロンドン。煙突掃除の少年バーナクルが怠けていると、ロバーツ親方が竿で煙道を突ついてきた。
バーナクルが煙道から落ちた部屋では、なんと密談の最中。慌てたバーナクルは、その辺にある物を手当たり次第に投げつけて、ほうほうの体で逃げ出した。でも、手には銀のスプーンと金のロケットが握られていた。
親方の元には戻れない、ぶん殴られるから。バーナクルは艀(はしけ)乗りの大男トム・ゴズリングに拾われ、テムズ川の上で暮らすことに。
金のロケットのために、クリーカー警部率いる秘密警察に狙われるはめになったバーナクル。バーナクルと気のいいゴズリング、そして隣人たちは陰謀に巻き込まれていきます。金のロケットの秘密とは?そして、陰謀から逃れることができるでしょうか!?

********************

イギリスの児童文学作家レオン・ガーフィールド(1921-1996)は、ガーディガン賞はじめウィットブレッド賞など、多数受賞しているとのこと。18世紀のイギリスを舞台にした小説が多いそうです。
この作品では、ヴィクトリア朝のロンドンのテムズ川近辺が舞台になっています。主人公のバーナクルは、貧しく無学の孤児だけど、元気いっぱい。でもちょっとしたウソもつくし、こすっからいところもあって、決して良い子とは言えません。けれども大切な人たちを守ろうとし、彼らに幸せになってほしいと願う純粋な心の持ち主なんです。

そんなバーナクルたちが、政府上層部の陰謀に巻き込まれていきます。隣人のマクディパー夫人は、トム・ゴズリングに関わらないよう忠告します。でもゴズリングは、自分にとっての正しい行いを貫こうとする。バーナクルは、自分のために陰謀に巻き込まれた愛すべき人々を救いたいと願う。そんなバーナクルの無私さが、事件を解決に導くんです。

興味深いのはバーナクルよりも、むしろ大人たちではないでしょうか。ここで描かれる大人たちは、それぞれに事情を抱えていて、思うようにならないしがらみの中で生きているんですよ。大人だって、世の中のすべてを見通せるわけじゃない。間違いを犯すこともあるわけです。そんな大人たちに比べると、バーナクルはなんて自由だろうと思うんです。
事件の発端と解決方には、なかなか苦いところがあります。読者が子どもだとしても、安易な言葉で誤魔化さないんですよね。大人が読んでも遜色のない作品だと思います。ラストは爽快で、自分の居場所を見つけたバーナクルの満面の喜びが伝わってきました。(2009/8/6)

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