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黄金の城塞/サタジット・レイ

[名探偵フェルダー・シリーズ]黄金の城塞
サタジット・レイ

My評価★★★☆

訳:西岡直樹
カバー画・挿画:石踊紘一
くもん出版(1991年11月)
ISBN4-87576-660-2 【Amazon
原題:THE GOLDEN FORTRESS(1971)


インド・西ベンガル州の首都カルカッタ。ドゥルガー女神の秋祭りが近づく日曜の朝、15歳のぼくトペシュとフェルダー兄さんは応接間でくつろいでいた。
フェルダーは母方のいとこだが、ぼくにとっては実の兄も同然。フェルダーは数々の難事件を解決した名探偵として知られている。
そのフェルダーに事件の依頼が持ち込まれた。依頼人の息子ムクルは8歳だが、前世の記憶があることで新聞に取り沙汰されていた。何者かが息子ムクルを狙っていることを知った父親は、フェルダーにムクルを守ってくれるよう依頼する。

前世の記憶を研究している超心理学者のハズラ博士は、ムクルの記憶の真偽を確かめるべく、二人でインド西部のラージャスターン州へと旅立った。ムクルの記憶にある「黄金の城塞」の有無を確かめるためで、古い城塞はラージャスターン州にあるからだった。
ムクルが旅立った直後、ムクルとよく似た年恰好の少年が誘拐された。新聞に取り沙汰されたムクルの記憶によれば、「黄金の城塞」には財宝が隠されている。犯人の狙いは財宝だった。

ぼくとフェルダーはムクルとハズラ博士を追って、ラージャスターン州のジョードプルやビーカーネールを経て、ラクダで砂漠を横断して古都ジャイサルメールへと向かう。
ムクルの記憶にある黄金の城塞は存在するのか?ムクルを狙い、フェルダーの行動を妨害しているのは何者なのか?

********************

サタジット・レイ(1921-1992)は西ベンガル州出身(つまりベンガル人)。『大地のうた』三部作などで、世界的に知られるインドを代表する映画監督の一人。小説家としても知られていて、彼の父親も著名な作家なのだそうです。
レイ家では祖父、父、サタジット・レイと、少年少女向け月刊雑誌を編集し発刊してきたのだそうです。その雑誌に表紙や挿絵を描き、ベンガル語に翻訳した外国の小説や、サタジット・レイのように自作の小説を発表したそうです。

この作品は名探偵フェルダーが活躍するフェルダー・シリーズのうちの一冊で、シリーズ第3作目にあたるとのこと。少年少女(主に少年)向け冒険探偵小説。
フェルダーは年齢はわからないけれど、まだ若い青年といったところ。髭を蓄えているため成人していることがわかります(成人男性はヒゲを蓄える慣習があるため)。
探偵小説あるいは冒険小説として面白いかと言うと、大人が面白がれるには物足りないですね。もっとも、はじめから子ども向けであり、大人を対象にしてはいないのだけど。

この作品のよさは冒険や謎解きよりも、背景となっている町々の風情や風俗にあると思います。
フェルダーや犯人たちが立ち寄る町々は、インドでもっとも華やかな州といわれるラージャスターン州で、この州には城塞や、マハラジャが贅を凝らした美しい宮殿があるのです。
現地を旅したことのある人(私はないけれど)や写真や映像で見たことのある人なら、舞台となるラージャスターン州の美しさを思い浮かべて楽しむことができると思います。

ジョードプルにはジョードプル王家の宮殿があり、ビーカーネールにも王がいて宮殿があるんですね。タール砂漠中央に位置するビーカーネールは、石材の色から「赤い城の町」と呼ばれるという。
タール砂漠の中の古都ジャイサルメールにはジャイサルメール王家があり、物語に登場する「黄金の城塞」が実在していて、99もの見張り台があるという巨大な城塞都市なんだって。私にはどのぐらいの大きさなのか、まったく見当がつきません。
トペシュとフェルダーたちは、西ベンガル州からラージャスターン州のジャイサルメールまで旅するのですが、文中からこの区間の民族・言語・風習が多種多様であることがわかります。服装はもとより、ヒゲの形で民族がわかるんですよ(ただし現在は違うらしい)。
大まかですが地理や建造物・風俗・慣習なども描かれており、そうした背景部分において、とてもエキゾチックな作品でした。(2003/12/10)

+黄金の城塞
消えた象神(ガネーシャ)

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