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クリスマスのフロスト/R・D・ウィングフィールド

クリスマスのフロスト
R・D・ウィングフィールド

My評価★★★★☆

訳:芹澤恵
創元推理文庫(1994年9月)
ISBN4-488-29101-5 【Amazon
原題:Frost at Christmas(1984)


ロンドンから70マイル以上離れた地方都市デントン。クリスマスを目前にして、ロンドンからクライヴ・バーナード新任刑事がデントン警察署に赴任してきた。利に聡いマレット署長は、警察長の甥バーナードを厚遇。バーナードは切れ者のアレン警部の下につくことに。だが、アレン警部が病気で倒れたため、名物警部フロストと組むことになった。
ジャック・フロスト警部。薄汚れてよれよれのコートとスーツとマフラー、事務処理能力ゼロ、下ネタや下品なジョーク連発し野卑た笑いを響かせるが、なんとジョージ十字勲章の持ち主。

折りしもデントンでは、8歳の少女が日曜学校の帰りに行方不明。未遂の銀行押し込み事件や、大小様々な事件が発生。そんな中、昼夜問わず駆けずり回るフロストが人骨を掘り当てたりしたものだから、事件はさらに錯綜。
田舎に派遣されて憤懣やるかたないバーナード刑事は、寝る間もなく引っ張り回される。フロストは、バーナードに能なし、間抜け、老いぼれと陰口を叩かれながらも、直感を頼りに迷推理を乱発し驀進する?!

********************

R・D・ウィングフィールド(Rodney David Wingfield, 1928-2007,イギリス)によるシリーズ第1作目。いやあ、面白可笑しかったあ!久しぶりに面白いと思えるミステリーを読んだ。なんといってもフロストのキャラクターがユニーク。
見た目はくたびれた冴えないオヤジで、その口からは下ネタや下品なジョークが飛び出す。ジョークのウケないところがいいんだな。気取り屋で名誉欲の強いマレット所長にガミガミやられ、言い逃れたりグチったりするところなんか、中間管理職の悲哀が滲み出てる。
しかしフロストは規則を破ったり、ちょっとした誤魔化しはお手のもの。権威に対してはどこ吹く風といった感じ。しかし飄々としているのではなく、あたふたしたりと、お世辞にも格好いいとは言えない。しかも格好悪くても熱血というわけではなく、地道な捜査をする意欲に欠けて飽きっぽい。計画性がなく、すべてが場当たり的。
けれども誰よりも駆けずり回り、人情が篤い。失敗してもへこたれないが、ときには落ち込む。ともかく何事にも「ゆるい」キャラで、そのゆるさに人間味と面白可笑しさを感じる。

ニュータウン化が進む地方都市デントン。だが冴えない町でも、様々な事件が勃発。次々と起こる事件にフロストは首を突っ込む。訳者あとがきによると、刑事が同時多発的に発生する事件を追うことを、「モジュラー型警察小説」と呼ぶらしい。いくつもの事件が同時に進行するのだが、どの事件がどこにどう関わってくるのか?
先の展開がまったく読めず、なかなか複雑だけど、最後まで中弛みしないで飽きさせずに読ませてくれる。結構な厚みのある本だけど、夢中で読んでしまった。これは構成もいいんだろうな。(2008/9/11)

フロスト日和
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