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キャベツ姫/エロール・ル・カイン

キャベツ姫
文・絵:エロール・ル・カイン

My評価★★★★☆

訳:灰島かり
ほるぷ出版(2002年3月)
ISBN4-593-50410-4 【Amazon
原題:THE CABBAGE PRINCESS(1969)


昔むかしあるところに、おこりんぼうで口が悪くて、何にでも文句をつける王さまがいました。
王さまは、おしゃれのことばかり気にして冠にクジャクの羽を飾った王子には、「頭の中身もクジャク並み」だと怒りました。
美しくてはずかしがり屋のお姫さまが、侍女たちといるほうが楽しいと10人目の求婚者を断ったので、「意気地なしのぼんくらキャベツ、侍女たちもカボチャやカブやボケナスばかり」と、怒鳴る始末。

ある秋の日暮れに森を散歩していた王さまは、金とピンクの縞模様のユニコーンを従えた、仮面を被った小さな男と出会いました。
男は森の王で、自分の王子の嫁にお姫さまを望んでいたのです。でも王さまの口の悪さと礼儀知らずの態度に怒った森の王は、「今後王さまが言った悪口はすべて本当になる」と魔法をかてしまいます。
そして王様の悪口の通りに、お妃さまは雌鳥に、お姫さまはキャベツ、侍女はトマト、ウリ、ニンジン、ピーマン、豆に。大臣たちは・・・。王様の悪口が次々と本当になっていきます。
この魔法はどうすれば解けるのでしょうか?

********************

エロール・ル・カイン(1941-1989)のオリジナル・ストーリー。
ル・カイン独特の華麗で幻想的、流線形のライン、色彩と装飾性は流石。水墨画の技法を取り入れたりと、まるでデザインの見本のような絵本でした。画面の隅々まで神経が行き届いており、ル・カインのデザイン能力の高さ、技量の確かさが伺えます。
キャベツ姫と、ニンジン、トマト、豆となった侍女たちの姿は、なんともシュール。それぞれの野菜をデザインした野菜人間とドレスは、シュールだけれども美しい。どちらかといえば少々不気味なほどなのに、美しいと言わざるを得ません。

場面展開は芝居の舞台を意識した作りになっているように思われ、ページごとに目をそらさず惹きつけるメリハリがはっきりしています。
ゆったりと自然体で読むのではなく、観劇するときのように、やや緊迫感をもって芝居の行方を追うような印象を受けました。片時も目をそらせない場面の連続と凝った画風は、ひょっとすると人によっては圧迫感を感じるかも。
私は、確かに素晴らしいのだけれど、あまりにも懲りすぎているため、少々満腹気味になってしまいました。

ル・カイン歿後から随分時が経ちましたが、この『キャベツ姫』のようにいまだ日本に紹介されていない絵本があるのでしょうか。もしあるのなら、この機会に未訳の作品が紹介されてくれれば、と期待します。(2002/6/3)

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