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フロスト気質/R・D・ウィングフィールド

フロスト気質
R・D・ウィングフィールド

My評価★★★★

訳:芹澤恵,解説:荻原浩
創元推理文庫(上下巻,2008年7月)
上巻:ISBN978-4-488-29104-4 【Amazon
下巻:ISBN978-4-488-29105-1 【Amazon
原題:Hard Frost(1995)


シリーズ第4作目。ハロウィーンの夜、ゴミの山から男児の死体が発見された。行方不明の男児ボビーかと思いきや、まったく別人と判明。死体の男の子は誰?ボビーはどこにいる?フロスト警部は休暇中だったが、マレット署長の葉巻をくすねに署に立ち寄ったがために、事件現場へ急行するはめに。
各署の幹部連中の不始末で欠員が生じ、穴埋めにアレン警部が他署に回され、フロストが休暇を返上して指揮を執ることになった。デントン署での穴埋めには、部長刑事が警部代行を務めさせる案が浮上。フロストの休暇中に赴任してきた女性の新人部長刑事リズ・モードは、虎視眈々と警部代行の座を狙う。男たちをアゴで使うリズ・モードに、ウェルズ巡査部長とバートン刑事はご機嫌斜め。

ところが、デントン署にキャシディ部長刑事が警部代行として派遣されてきた。キャシディはかつてデントン署に勤務しており、ひき逃げで娘を亡くしていた。その事件を捜査したのはフロストだったが、キャシディはフロストの捜査に納得しておらず、彼を恨んでいた。彼は真相を追究しようとする。だがその事件について、フロストの口はなぜか重かった。
脅迫状が届き、犯人はボビー少年の身代金を要求してきた。犯人はずる賢く、一切の証拠を残さないため捜査は手詰まり状態。威張り屋で手柄を独り占めようとするキャシディは、娘の件でフロストに敵意を抱いている。リズ・モードはキャシディに対抗意識を燃やし、マレット署長は相変わらず文句ばかり。こんなんでボビー少年を見つけられるのかか?

********************

このシリーズは巻を追うごとに長くなる傾向があるようで、ついに上下巻という長さ。しかも複数の事件が同時進行するので、一般的なミステリーよりは複雑な内容。登場人物が多いので、ときには「これは誰?どの事件の関係者だったっけ?」と思うこともあった。それでもグイグイと先を読みたくさせ、ラストまで飽きさせない。構成の見事さのほかにに、きっと訳の良さもあるんだろうな。
大概のシリーズ物は巻によって当たり外れがあり、4作目ともなれば息切れしそうなところだが、このシリーズは常に一定のレベルを保っていると思う。しかも従来の路線を踏襲しつつ、無難にまとまっているとかではなく、ハイレベルで面白い。

男児の事件の他にも、誘拐されて身代金と引き換えに開放された娘の事件が起こる。フロストの嗅覚では、この事件はとても胡散くさく、自作自演の臭いがする。また石炭貯蔵庫から、死後何ヶ月も経った男の死体が発見された。さらには三人の子どもが殺害され、母親が行方不明という事件も発生し、デントン署はてんてこ舞い。と事件が山積みなのだが、キャシディとリズ・モードという厄介な刑事を抱え込み、署内には不協和音が。
なにしろキャシディは威張りたがりで、手柄を独り占めにすることに専心するという嫌われて者。ホント好かない奴。リズ・モードはキャシディに対抗意識を燃やすが、狡さという点で貫禄負けというところか。なんだかんだ言って彼女は捜査に熱心。バートン刑事なんて、初めこそ嫌っていたのに・・・。ちゃっかり者だよ、バートンは。

フロストは行方不明のボビーの捜索に苦戦を強いられる。ようやく犯人を絞り込めたのだが、相手は小憎らしいほどの頭脳犯のため、決定的な証拠がない。フロストはお得意の行き当たりバッタリの推理に、直感を駆使して事件を解決していく。ただし的中率は甚だアテにならないというお粗末さ。
けれども、その直感は地道な捜査から導き出された結果といえるだろう。いままの巻よりも地道に捜査しており、その上で犯人を絞り込んで追い詰めていく過程がシッカリ描かれているように思う。フロストは心なしか人が良くなったようで、苦労人という印象。お下劣ジョークは相変わらずだけれど、それが事件の重々しさを緩和してくれるような感じがした。(2009/2/19)

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