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オレンジ党、海へ/天沢退二郎

オレンジ党、海へ
天沢退二郎

My評価★★★★

カバー画・挿画:林マリ
筑摩書房(1983年12月)[絶版]
8093-88051-4604


オレンジ党の元に、傷ついた吉田四郎という少年が「鳥の王」からの手紙を持って現われた。しかし吉田四郎は実体ではなかった。
手紙の内容は、黒い魔法から助けてほしいということだった。詳しくは後で知らせるという。少年が携えて来たもう一通の鳥博士宛ての手紙は、古い魔法側の源先生に奪われていた。

後日、道也に手紙が届く。鳥の王からだと思っていたが、手紙は鳥の王に捕まった「カモメ」という著名になっていた。一方ルリの元へ吉田四郎が鳥の王の手紙を携えて来た。鳥の王は信用できるのか?
エルザたちオレンジ党は罠かもしれないと思いつつも、鳥の王のいる八ツ岡へ向う。だが鳥の王に会うことはできなかった・・・。

ルリは夢の中で吉田少年に、鳥の王の元に導かれる。「鳥の王の宝石」を渡されるが、体へ戻れなくなってしまった。
鳥の王の宝石は「鳥の書」だという。この書を解読できるのは鳥博士=石橋博士だけだ。だが石橋博士は捕らえられてしまう。
時の書によると、「黒い太陽」を操るには宝石の真の持ち主である血筋の生贄が必要だという。

鳥の王と吉田四郎の目的とは?カモメとは?様々な勢力と思惑が入り乱れる。
源先生率いる<古い魔法>、<時の魔法>のオレンジ党、鳥たちに不気味に覆いつくし死をもたらす<黒い魔法>の三つ巴の闘いの行く末は?

********************

自然破壊への警鐘というテーマもあるようですが、人の残酷さ、というより利己心を描いたダークなファンタジー。
第2部『魔の沼』を読めないでいるので、ストーリーについていけないところが多かったのが残念。
様々な勢力が入り乱れるので、誰がどの魔法に属すのか判然としません。複雑に入り組みすぎた感があります。なぜ海に出るのかもわからない。これらは『魔の沼』を読んでいないためではないのかなあ。

幾度も現実と非現実世界が交錯し、どちらが現実なのか曖昧になるところが私は好きです。カモメの異質さもよかった。カモメという異質な存在が鏡を通り抜けるシーンには、摩訶不思議さがあると思いました。
ただ、私にはエルザの使う魔法が、ドラえもんがポケットから道具を出しているような感じがするんですよね。魔法というよりも、便利な道具にしか思えないのです。
西崎ふさ枝がオートバイを運転するのも理解できない。ルミたちと同じ小学6年生で、そんなに巨体なわけでもなさそうなのに。小学生の体力ではオートバイを運転できないと思うんだけど。でもオートバイと書いてあるけど、本当はスクーターのことなのかな。だったら小学生でも運転できるのかも。
ともかく私としては、ファンタジーだからこそ現実をキチッと書いてほしかったです。

シリーズのいちおうの完結巻となるのですが、今作は「鳥の王の宝石(鳥の書)」の争奪戦で、宝石に関しては一件落着したが、それ以外は未解決なので不満が残りました。
決してオレンジ党が優位になったわけではない。黒い魔法の影響がかなり広がっていることだし。
<古い魔法>が脱落したことで、三つの魔法のバランスが崩れてしまい、今後どうなるのかはわからないのです。三つの魔法そのものが渾然としつつあることだし。
そもそも三つの魔法に明確な境界のないことは何度も語られているのだから、境界がより薄れたということなのでしょうか。(2002/7/30)

追記:2004年12月、ブッキングから復刊しました。 【Amazon

オレンジ党と黒い釜
魔の沼
+オレンジ党、海へ
オレンジ党 最後の歌

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