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「ハロー、タクシー!」/オタ・パヴェル

「ハロー、タクシー!」
オタ・パヴェル

My評価★★★★

訳:伊藤涼子
未知谷『文学の贈物 東中欧文学アンソロジー』所収(2000年6月)
ISBN4-89642-008-X 【Amazon
原題:Haló,taxi!(1972)


プラハ空港で客待ちしていたタクシー運転手は、ニューヨークから40年ぶりに帰国したチェコ系アメリカ人の男を乗せた。
男は昔、女の子とデートをした思い出のカレル橋へ寄ってもらい、それから従兄弟の家へ向かわせた。車中で男は、好きなサッカーの話を始める。
男は運転手に訊く。ニューヨークで活躍したチェコのルディ・クチェラを知っているかと・・・。

********************

東中欧文学アンソロジー中の一篇。ちなみにこの本は、日本では珍しい(と思う)東中欧作家の短篇がズラリ!!おすすめです。
オタ・パヴェル(1930-1973)プラハ生まれで、父親はユダヤ系チェコ人。この短篇は、1960年代に実在した人気選手に創意を得て書かれたのだそうです。
チェコ系アメリカ人の言葉には、時折ドイツ語が混じる(邦訳だけどね)。彼が生まれたころのプラハでは、まだドイツ語が日常的に使われていたからです。
ロシア製のタクシーの話から戦車の話になったり、自由で富めるチャンスのあるアメリカへの憧れなど、垣間にチラリと当時のチェコの国情や世相が伺えました。

客が黙っていれば自分も黙るタクシー運転手。それはたんに運転手が寡黙なだけなのではなく、40年ぶりに故国プラハへ戻ってきた男の心情を汲み取っているから。長年プラハを離れていた男たちが、どんな想いを抱き、どんな眼で街を見ているのかを知っているから。
ニューヨークからきた男とタクシー運転手は、お互いの胸のうちを打ち明けるわけではないけれど、無言のまま故国への想いを通じ合わせる。
客と運転手の一瞬の出会いに、人生の断片と故郷への想いを、センチメンタリズムではなく温かに描いた短篇。(2003/11/17)

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