スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

春のうたがきこえる/市川里美

春のうたがきこえる
文・絵:市川里美

My評価★★★★★

偕成社愛蔵ミニ版(1990年8月)[絶版]
ISBN4-03-329050-8 【Amazon


子どもたちが目覚めると、窓からは金色の陽光が射し込んでいます。春の朝です。
今日は何をして遊ぼう?
その前に、チューリップに水をやって草取り。それから野原でピラミッド遊び。生え揃ったばかりの草原に寝転ぶと、仔羊の毛のようにやわらかくていい気持ち。
若草色に萌える猫柳。流れる小川から聞こえてくる春の調べ。

おじさんが猫柳の枝で笛を作ったくれました。子どもたちは笛を吹きながら、川縁を行進。すると、川にいた白鳥のお母さんと子どもたちが見物に集まっていきました。
子どもたちは木々の間を駆けずり回ります。女の子たちは花輪や花ツタを編みます。
子どもたち、白鳥の親子、羊たち、木々や草花・・・。みんなに降り注ぐ、ううらかな春の陽射し。

********************

春の陽射しは眼にやさしい。パステルカラーというよりも、もっと淡くて光の粒子を含んでいて香しいような。
この季節、空気がキラキラ輝いている、と思うことはありませんか。木や草の新芽、花々の息吹、ぬるんできた水。草花に蓄えられる春の光、甘い香り漂う朧げな春の夕暮れ。
子どもたちの服装は、ツギのあたったつなぎ(オーバーオール)やワンピースなど古風ですが、それが雰囲気があっていいんですね。絵は洋風で、一言でいうとやわらかい感じです。

体がムズムズして、ジッとしていられないで、戸外へ飛び出したくなる春。そんな季節を、子どもたちは目いっぱい体感します。
広い土地を自由に動き回って、目に留まるものに喜びを見い出す子どもたち。
すべてが手を伸ばせば届くほど身近にあって、それらを子ども同志だけではなく、白鳥や羊たちも含んで、みんなで慈しんでいるよう。
稜線の遠さから、すごく広々とした土地だということがわかるので、画面から開放感が感じられます。
ネットで検索したら、作者がイースターの休暇をブルゴーニュ地方の田舎で過ごした歳の思い出を絵本にしたのだとか。
元々は1978年刊行のハードカバー【Amazon[絶版]】をミニサイズにしたもの。愛蔵版は片手に収まるミニ絵本で、小さくて色使いやタッチがよくわからないのです。せめてノートぐらいの大きさで見たかった。

ページを広くとそこは春の野辺。春の歌は子どもだけではなく、動物だけでも野辺だけでもなく、それらを含んだすべてがうたっているのです。
開放感と幸福感、充足感に満ちた愛すべき絵本です。(2002/5/20)

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

H2

Author:H2
My評価について
=1ポイント
=0.5ポイント
最高5ポイント

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
FC2カウンター
検索フォーム
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。