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ファレルとリラ/ピーター・S・ビーグル

ファレルとリラ
ピーター・S・ビーグル

My評価★★★★

訳:鏡明
SFマガジン1976年12月号掲載
原題:FARREL AND LILA THE WEREWOLF(1969)


ニューヨークで暮らすファレルは、リラ・ブラウンと同棲していた。ある夜、ファレルはリラが人狼であることに気づく。彼女は満月の夜に、人狼に変身するのだった。
人狼となったリラは、ファレルが眠っているときに夜の街を徘徊して犬を殺していた。しかしファレルは、結局リラはリラなのだと思い、自分が気づいていることを黙っていたが、やがてこの件について二人が話をする機会がやってきた。
リラは愛してると言うが、ファレルは後悔していた。一緒にいるつもりがないとわかっているなら、知るべきではなかったのだと・・・。

ビルの管理人は本能的にリラが人狼だと気づく。彼はリラに殺された愛犬の復讐をすべく、銀の弾を込めた銃を持って人狼の跡を追う。ファレルとリラの母親は、犬たちを従えて街中を駆け回るリラを追う。
朝が訪れ始めたとき、人狼リラは人々に囲まれてしまう・・・。

********************

人狼と人間の恋愛譚と言うと語弊があるけれど、恋愛観の話でもある短篇。ファレルは、長篇『風のガリアード』のファレルと同一人物かどうかはわかりませんが、性格的には同一線上にあるような印象を受けました。

奇妙な悩みを持つ女の子に惹かれる傾向のあるファレル。彼はそんな経験を何度も繰り返した上でリラと同棲していたのですが、彼女の秘密を知ってしまう。
彼は秘密を知ったことを後悔するのですが、人狼だと知っても「リラはリラなのだ」と言うように、彼にとっては人狼であることが問題ではないんですね。人狼のことを知る以前に、彼はリラを愛していないことに気づいているから。
一方、リラ自身は気づいていないのですが、彼女は自分自身を愛していないことに気づくのです。

そんな状態の中で、どんなことであれリラの秘密を知ってしまったことで抜き差しならなくなったことを後悔するファレル。彼が奇妙な悩みを持つ女の子に惹かれるのは、自分を必要とする人を求めているからではないのかな。しかし他人と深く関わることを恐れているようです。
彼は自分が誠実ではないと知っているからこそ、責任を負うことができないと考えている、ということではないでしょうか。私は、はじめから責任というものが何なのか考えもせずにいる人よりも、ファレルはずっと誠実だと思いますね。(2003/2/22)

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