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ささやき貝の秘密/ヒュー・ロフティング

ささやき貝の秘密
ヒュー・ロフティング

My評価★★★☆

訳:山下明生
挿画:ロイス・レンスキー
岩波少年文庫(1996年6月)
ISBN4-00-112134-4 【Amazon
原題:THE TWILIGHT OF MAGIC(1931)


ささやき貝の秘密ジャイルズ少年と妹アンは、借金で破産寸前の父親を助けるために、リンゴ売りのおばあさんを訪ねます。なぜなら、おばあさんが信用できそうだから。おばあさんはアグネスという名前なのですが、世間の大人たちからは魔女とウワサされていました。
二人はおばあさんから、とてもきれいな貝をもらいました。魔法の「ささやき貝」です。これを重要人物に売れば、莫大な財産が得られて父親を助けることができる!
二人は貧しく足の悪い少年ルカと作戦を練り、公爵のお城にやって来る19歳の国王に売ることにしました。
ジャイルズは首尾よく国王と取り引きするのですが、ささやき貝が国王にもたらしたのは大変な事態だったのです!

ジャイルズは騎士となり、首都の宮廷で国王の「さがしもの係」になりました。国王はよく物をなくし、ジャイルズはさがすのが得意だからです。ルカはジャイルズの従者になりました。ささやき貝のことは秘密にされ、ジャイルズが大切に保管することに。
そうして9年が経ったころ、ジャイルズ、国王、ルカ、そしてバーバラ伯爵令嬢の4人は友情で結ばれていました。
ジャイルズは、美しく成長したバーバラ伯爵令嬢が気になりはじめるのですが・・・。

********************

『ドリトル先生』シリーズで有名なヒュー・ロフティング(1886-1947,イギリス)によるノン・シリーズ。
耳に当てると、どんなに離れていてもその人に関する話が聞こえる魔法の「ささやき貝」。でも、自分に関する人のウワサ話を聞くということは、決していいことばかりではないんですね。
重要な秘密を聞くことが出来るけれど、嫌なことも耳にしなければならないため、不信感にとらわれたり自信を失う。褒め言葉ばかり聞いていると、うぬぼれが強くなる。
賢く使えればいいのでしょうが、それは難しい。ですが、本来自分に備わっていない力を持つということは、決して幸せではないような気がします。
しかし、そんなささやき貝を欲しがらない人もいるのです!人のウワサ話ほどアテにならないということを知っていて、そんなことに耳を澄ませるということほど不毛なことはない、と知っているんですね。そうして心穏やかに過ごしているのだから、賢人なのでしょうね。

ささやき貝は本当に魔法なのか、リンゴ売りのおばあさんアグネスは何者なのか、ということは明かされません。そうしたことは、さして重要ではないと思います。そもそもこの物語では、魔法というものはそれほど重要ではないんですよね。なぜなら肝心の場面では、魔法は助けにならないからです。
情報を入手したとしても、それをどうやって活かすか、どう行動するか、そもそも行動するのかを決めるのは、本人の意思によるからです。そこに魔法が介在する余地はありません。
良心の信じるところに従って行動すること、それが大切なのだと作者が言っているように思います。(2012/5/12)

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