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スナップ写真のルールとマナー/日本写真家協会編

スナップ写真のルールとマナー
日本写真家協会編

My評価★★★★

朝日新書(2007年8月)
ISBN978-4-02-273163-0 【Amazon


各種モバイルの普及によって、昨今では誰もが気軽に写真を楽しめるようになり、誰もが簡単にネット上で写真を公開することができますよね。
一方、写真をめぐる「肖像権」や「個人情報」、「プライバシー」、「著作権」への意識が高まっています。
こうした問題意識を持っている人は少なくないように感じられます。自分の家の中で撮っているにはいいのですが、問題は家の外で撮影するとき。具体的にどのような問題が起こるのか?どのようにすればトラブルを回避して撮ることができるのか?

本書では、写真を撮る側が気をつけたいルールやトラブルへの対処例などが、シチュエーションごとのQ&A形式でわかりやすく説明されています。
自分の撮った写真に対して、被写体が「肖像権」を主張し、トラブルへと発展した話を耳にしますが、闇雲に肖像権を主張できるわけではないんですねえ。このようなことを知った上で、楽しく写真を撮りましょうよ、というのが本書の主旨だと思いました。

そもそも肖像権とは何なのか?これが結構漠然としているような。肖像権とは憲法で保障された基本的な人権で、肖像権の侵害とは人権の侵害となり、肖像権に関する法律はないのだそうです。ですが、「名誉毀損」や「プライバシー権の侵害」、「財産的価値(パブリシティー権)の侵害」といった問題が派生することがあるそうです。
スポーツ選手やタレントなどの有名人の写真を撮り、ブログに載せている人がいますが、こうしたケースは本人ないしマネージャーなどの承諾を得ていない限り、パブリシティー権の侵害となり訴訟問題に発展し兼ねないとのこと。
また、公道路や公園など空の下での屋外と、空の見えない屋内での撮影では、肖像権の解釈が異なるのだとか。屋内の場合には建物の所有権の問題も絡んでくるそうです。
写真の著作権についても触れています。著作権といっても、正しくは「著作人格権」と「著作財産権」の二つに分けて考えなければいけないのですね。
いずれにせよ気をつけたいのは、写真を撮ることと、撮った写真を公表することは別問題だということ。ケース・バイ・ケースですが、写真を撮る許可を得たからといって、それを公表する許可も得られたわけではないということです。

法的な事柄については、わかりやすくてとても参考になるので、いい本だと思います。ただし、それ以外の内容中で重大な欠陥があります。
公園で子どもを無断で写して、保育士に注意された。そのときの写真を展示会などに出してもいいですかというQ&Aで、注意された後の写真はNG、注意される前の写真はOKと答えているのです。
要は気づかれなければいい、ということでしょうか。そうとしか受け取れません。
保育士は撮られたことに気づいたから注意した、しかし、その前にも撮られていたことに気づいていないだけなのです。撮って欲しくないので注意したのだから、注意される前に撮っていた写真も公表すべきではないでしょう。
他にも写真家にとって都合のいいとしか思われない意見があり、公正で良識的な判断とは言い兼ねるところが目立ちました。もっと客観的、論理的に考えるべきだと思います。

主にトラブルが発生するのは、公表したとき。自分や家族内で楽しむぶんにはいいけれど、承諾を得ず公表したときにクレームがつく可能性があります。
ともかく、自分が撮った写真だから自分の好きなように利用していい、というわけではないということですね。
いちばんいいのは、どのように利用するのか説明した上で、了解を得てから撮ることだと思うのですが、現実には難しい。
結局のところ、相手に不快感を与えない、もし自分が撮られたら嫌だなというときには撮らない、ということでしょうか。(2007/10/5)

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