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シュロイダーシュピッツェ/マーク・ヘルプリン

シュロイダーシュピッツェ
マーク・ヘルプリン

My評価★★★

訳:斎藤英治
白水社『世界の肌ざわり』所収(1993年10月)
ISBN4-560-04492-9 【Amazon
原題:The Schreuderspitze


ミュンヘンで暮らす、腕はあるが商売のヘタな写真家のヴァリッヒは、自動車事故で妻と息子を亡くしていた。彼は誰も知人のいないところで世捨て人になろうと旅に出る。着いたところはアルプス高地の町だった。
駅員に山登りに行くと嘘をついた彼は、町から村へ移り、冬のシュロイダーシュピッツェ山を眺める。その山を登攀しようと独力で登山の準備を始めた。体力を蓄え資材を調達している間に、いつしか季節は夏になっていた。そして彼は登り始める、世界の神秘を目指して。夢と現実の境界を越えて。

********************

柴田元幸・斎藤英治編訳の『新しいアメリカの短篇』と銘打たれたアンソロジー中の一篇。1991年に刊行されたヘルプリンの短編集から。訳者によると、ヘルプリンはロック・クライミングの愛好者だという。なるほど、登山の描写がとても詳しいのに納得。作者の登山経験が生かされた短篇。

時代背景はよくわからないけれど、20世紀初頭かもう少し前じゃないかな。ネタバレになるので詳しく書けないが、私は幻想小説の範疇に入ると受け止めている。ヘルプリン作品に共通するリアルとアンリアル、作者が夢や世界というものをどう捉えているかが端的に表れていると思う。
作者にとって、神秘というものははじめから世界にあるのだろう。だが通常、人はそれに気づかない。何かの拍子に気づいたとき、人は目前に在ったものに初めて開眼し、それを<神秘>と感じてそう呼ぶ。要は気づくか気づかないか。世界というものは多面的・多角的であり、見る角度、受け止める側の心理状態や感度によって理解度が異なるということなのかな。(2004/10/14)

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