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太陽の戦士/ローズマリー・サトクリフ

太陽の戦士
ローズマリ・サトクリフ

My評価★★★★

訳:猪熊葉子
岩波少年文庫(2005年6月)
カバー画・挿画:チャールズ・キーピング
ISBN4-00-114570-7 【Amazon
原題:WARRIOR SCARLET(1958)


青銅器時代のブリテン島のイングランド丘陵地帯に、狩猟と放牧で暮らす銅色の髪に白い肌の部族がいた。
この土地に渡ってきた彼らの先祖は、ターヌの子孫という背が低く黒人の原住民を、羊飼いや石切りとして仕えさせた。時が経つにつれ二つの種族の血は混ざったりしたが、混血人は黒人と同様に扱われる。

白い肌の部族の男たちは戦士だった。9歳の少年ドレムは成長して戦士となり、戦士の緋色のマントを纏うことを夢見ていた。
戦士になるためには12歳から15歳までの三年間、同年代の少年と「若者の家」で共同生活をし、弓と槍の技を鍛錬しなければならない。そして三年目に、一対一でオオカミを殺す。そのチャンスは一度きりで、成功した者だけがベルティンの祭りの儀式で、戦士として認められるのだ。
だが、ドレムは右腕がまったく使いものにならなかった。祖父は、ドレムは羊飼いにしかなられないだろうと考え、母親はドレムの将来を憂う。生まれたときからこの家に養われている少女ブライは終始無言だった。
ドレムは槍の技を鍛えて「若者の家」に入るが、そこで彼を快く思わないルガと対立したり、族長の息子ボトリックスと生涯の友になる。王の葬儀と新王の即位などを経て、やがてオオカミ殺しの時がきた。

********************

鉄がウワサされ始めたころの青銅器時代、サセックス州白亜層の丘陵地帯を舞台に、少年の挫折と成長を描いた物語。
ドレムは挫折を経ることによって、一心不乱なときには目に映らなかったことが見えてきて、様々な事柄を少しずつ理解し始め、精神的に成長していきます。
挫折をどう乗り越えるか、このことは子どもや大人という年齢に関わりなく、誰もが暗中模索することでは。その結果として、多くの人は精神的に成長するのでしょう。
サトクリフが理想とする戦士とは、たんに力を誇示する者ではなく、人や動物の命を思いやり守ることのできる強さを持った者。ドレムにはハンディキャップがありますが、こうしたことはハンディキャップの有無に係わらないですよね。

作者は、当時の人々はこんなふうに生活としていたという確信を抱いて、とても力強く描いています。一時代に生きた人々と自然を含めた情景を、確固たる存在感を感じさせるほどに描いているのです。
背景が書割りのようにふわふわと頼りなく脆いものではなく、シッカリとした存在感を持っているからこそ、主人公たちが生き生きと感じられ、彼らの言動に説得力があるのだと思いました。(2005/6/30)

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