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小惑星美術館/寮美千子

小惑星美術館
寮美千子

My評価★★★

カバー画・挿画:小林敏也
パロル舎(1990年5月)
ISBN4-89419-022-2 【Amazon


遠足の朝、ユーリは集合場所の広場でオートバイにはねられ、広場にある銀河盤に衝突。気がつくと見知らぬ世界にいた。その世界にもユーリがいたようで、どうやら二つの世界のユーリが入れ替わってしまったらしい。
この世界では、12歳になった少年少女たちは宇宙船レヨン・コスミックで「小惑星美術館」へ遠足に行く。この宇宙船の次代の船長が、小惑星美術館への旅によって選ばれるのだ。船長になるのは子どもたちの憧れで、とても名誉なこと。

全ての子どもたちが人工冬眠についた中、ユーリはネモ船長から、マザー(コンピューター)が管理する宇宙ステーション「れんが月」の話を聞かされる。
ネモ船長の話に釈然としないユーリは、コンピューターにアクセスして、厳重に隠蔽されたこの世界の成り立ちと、失われたガイアの歴史を知る。捏造された歴史、管理された社会に飼いならされた人々・・・。
しかし、この世界を変えるものが「小惑星美術館」に隠されていた。

********************

荒廃した惑星ガイアから脱出し、宇宙ステーションで暮らして幾世代も経ったころ。ガイアの記憶は失われ、コンピューター管理に慣れきって停滞した社会。そこへ突如異世界から現われた少年が、この世界の歪みをただして新たな息吹をもたらす。その鍵は小惑星美術館にあった。
という昔のジュヴナイルSF風。これだけ使い古されたネタで書けるものだと妙に感心しました。嫌いではないけれど、「マザー」と聞いた時点で結末が予測できてしまった。
毎日中学生新聞に連載された作品だそうですが、小学生新聞の方がよかったんじゃ。ともあれ、なつかしい気分に浸れることうけあい。SFの苦手な人にはいいと思います。

小惑星帯の軌道上に浮かぶアンモナイトの化石群、巨大な石のクジラ、ゾウや馬・・・。石英宮の小惑星美術館に隠された真実とは?ということだけど、もっと圧倒されるほどの視覚的イメージを書いてほしかったです。この美術館の存在意義が強ければ強いほど、あとの展開がより納得できるというもの。

この作品は「私たちの星を、自然を大切にしよう」というもので、そのこと自体にはもちろん不満はありません。でも、エルネギー資源の問題や経済など、社会構造そのものが根本から変わらなければいけないことを、現在の私たちは知っています。
この作品が書かれた時には京都議定書はなかったわけですが、同じようなことは提唱されていたし、活動している人もいました。その後、京都議定書に不支持を表明した某国のような国があらわれたわけです。そのような国をどう説得してどう協力し合っていくのか。
また、クローンがなぜいけないのか、たんに気持ち悪いからとかではなく、論拠を述べてほしかった。
漠然と「地球を守ろう」とスローガンを掲げるだけの時代は過ぎました。すでに活動の時代、行動で示す時代です。「みんなで地球を守りましょう」というよりも、「地球を守るために(個人として)具体的に何ができるか」に焦点を当てて欲しかった。(2003/5/31)

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