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つむじ風食堂の夜/吉田篤弘

つむじ風食堂の夜
吉田篤弘

My評価★★★

ちくま文庫(2005年11月)
ISBN4-480-42174-2 【Amazon


どこか懐かしさ漂う月舟町。
月舟アパートメントの屋根裏に住み始めた「雨降り先生」が、つむじ風が起こる十字路のある食堂へ行くと、帽子屋のおじさんが二重空間移動装置について力説。
手品師だった父、文学好きの果物屋の若主人、古本屋のデニーロ親方、売れない舞台女優の奈々津さん。ズバズバ言う奈々津さんに気圧され気味、しかも台本を頼まれて・・・。
月舟町の商店街と食堂を中心に、雨降り先生と住人の織りなすファンタステックな物語。

********************

クラフト・エヴィング商會の一人による長篇小説。稲垣足穂の『一千一秒物語』を彷彿しました。一千一秒物語を好きな人には、この本も気に入るのでは。ストーリーではなく、イメージを楽しむ掌篇集といった感じ。
タルホほどの風変わりさはないけれど、ほわんと温もりを感じ、くつろいで読めました。サラリとしていて、大人のための童話という感じ。
寒い日、ホットコーヒーでも啜りながら、こういう穏やかな本を読むのも悪くない。

月舟町には、ゆったりと静かで穏やかな時間が流れています。この町の十字路は過去と未来、昨日と明日という時間の交差する場所のよう。
停滞したかのような時間の中に生きる雨降り先生は、住人との交流を経て、ゆっくり未来へと歩みだしてゆく。
ここではない、どこか遠くを夢見る人々。でも、「ここ」とはどこなのか?そんな遣り取りが交わされます。そして、どこか遠くの「どこか」って?
それらは物理的な地点や距離ではなくて、心理的・精神的な地点・距離ではないでしょうか。歩み進んでゆくとき、その時間線上にあるのだと私は思います。(2005/11/18)

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