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この湖にボート禁止/ジェフリー・トゥリーズ

この湖にボート禁止
ジェフリー・トゥリーズ

My評価★★★★

訳:田中明子
カバー画:中釜浩一郎
福武文庫(1990年12月)[絶版]
ISBN4-8288-3173-8 【Amazon
原題:NO BOATS ON BANNERMERE(1949)


ビルと妹スーザンと母親のメルバリー一家は、カバーランド(現カンブリア州)にある、いとこフェイの遺産の別荘「せせらぎ荘」に引っ越してきた。
別荘は湖に面していて、湖は「旗の湖(うみ)」といって、真ん中島があり、向こう岸には黒旗山がある。
ビルとスーザンは、フェイの持ち物だったボートを見つけたので、島を目指して湖に漕ぎ出した。ところが、アルフレッド・アスキュー卿に、ボートを禁止されてしまう。
島はアスキュー卿の土地で、鳥類保護区のため立ち入り禁止だという。ビルとスーザンはボートを使えずガッカリ。

二人はそれぞれ新しい学校へ通い、ビルにはティム、スーザンにはペニーという友だちができた。
ペニーの話によると、島が鳥類保護区というのはウソらしい。少年たちはアスキュー卿の言動をあやしく思い、彼の身辺を探り始めるうちに意外な事件に遭遇する。

********************

ジェフリー・トゥリーズ(1909-1998,イギリス)による、イングランド北部の湖水地方を舞台にした宝探し冒険小説。物語は、作家志望の少年ビルによる手記の形をとっています。ボートの使用を禁止されたことから、話は思わぬ方向へ。
湖水地方の風景や日常生活、学校生活、歴史を盛り込んだ楽しい物語。湖水地方の地方の雰囲気を満喫ではました。

この作品の楽しいところは、学校も含めた日常生活の中で、様々な出来事や事件が起こること。つまり事件が日常生活の外で起こるのではなく、あくまでも日常生活内で起こり処理されるのです。これが全然退屈しないんですよ。また、現代の日本人でも違和感なく読めると思います。
主人公のビルは、女の子を意識したり、クリケット大会より女学校のパーティーに行きたいと考えたり、作家になるべく先生の言葉を胸に刻むこともあれば、ときには先生に怒られたり。少年のごく普通の日常の姿が等身大に描かれていて、それがこの物語を生き生きさせているのでは。

おそらくは都会から、湖水地方に引っ越してきたメルバリー一家。このメルバリー家ですが、母親は離婚していて、女手一つで子どもたちを育てているんです。経済的に苦労しているけれど、明るくて前向きで、ときには茶目っ気も見せるチャーミングな母親。
母親と女学校のフローリー先生は、極めて現代的な女性のように描かれています。一方、お年寄りで厳格なキングスフォード先生は、いかにもイギリスの老教師といった感じで、グラマー・スクールの雰囲気が伝わってくるような。

この作品には、続編が4作あるのだそうです。2作目は田中明子訳『黒旗山のなぞ』(学習研究社(1971)、少年少女文庫学研(1978)どちらも絶版。作者名は「トリース」)。以降の巻は未邦訳なのだそうです。

備考:2006年6月に福音館書店から、多賀京子の新訳が刊行されました【Amazon】。作者名は「ジェフリー・トリーズ」。(2006/10/2)

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