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ぼくの島/バーバラ・クーニー

ぼくの島
文・絵:バーバラ・クーニー

My評価★★★★

訳:掛川恭子
ほるぷ出版(1990年3月)
ISBN4-593-50240-3 【Amazon
原題:Island Boy(1988)


大きな海に向って、ぽつんと小さな島がありました。その島に、町から父さん母さんと3人の子どもが住み着きました。
島は一家の名前をとってティベッツ島と呼ばれ、一家は土地を耕し羊や牛、ニワトリを飼いリンゴの木を植えました。やがて子どもが12人となり、末っ子はマサイスと名付けられました。
少年となったマサイスは、島の向こうには何があるのだろうと、見習船員になって海へ出ました。 15年が経ち、町へ戻ってきたマサイスは、お嫁さんと一緒に、父母のようにティベッツ島で暮らことにしました。

やがて子どもが生まれ、子どもたちは大きくなり島を出て行き、結婚して子ども(孫)が生まれました。
そのころティベッツ島の辺りは都会から来る避暑脚で賑わっていました。島はいい値段で売れるのですが、マサイスは売ろうとしませんでした。
マサイスおじいちゃんは、小さなマサイス(孫)に島のこと、自分の子ども時代のこと、航海していたときのことなどを話します。

********************

アメリカの大西洋に面したティベッツ島。コロニアルスタイルの別荘の前にはイギリスの国旗がたなびき、蒸気船が走っています。時代は19世紀、おそらく開拓時代だろうと思われます。
この絵本は、美しい小さな島に移り住んだ、数代に渡るティベッツ一家の年代記とでも言いますか。親から子、子から孫へ連綿と引き継がれていく生活が描かれています。
自然は美しいけれどそれだけではなく、生活も楽しいだけでなく悲しみや苦しみもあるのです。それでも島を愛し、島で生きようとする一家。そんな平凡と言えば平凡な生活の営みを、クーニー感傷的になったり大袈裟になったりせずに描いています。

人の命も自然も等価値で優越はなく、そうえであるからこそ悲しみも苦しみも受け止めることができるのかも・・・。
この絵本の調和した世界は、ある種の理想郷と言えるかもしれません。しかしおじいちゃんとなったマサイスや、孫の小さなマサイスやティベッツ一家は、理想郷を求めたわけではないでしょう。
マサイスおじいちゃんが自分の両親ことを小さなマサイスに語ったように、いつか小さなマサイスも自分の孫に、マサイスおじいちゃんのことを語るのでしょうね。そうやって共有し引き継がれていく記憶や生活の営みこそ、クーニーが描きたかったことではないでしょうか。(2002/6/10)

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