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ばらになった王子/リスベート・ツヴェルガー

ばらになった王子
文:クレメンス・ブレンターノ,画:リスベート・ツヴェルガー

My評価★★★☆

訳:池田香代子
冨山房(1983年4月)
ISBN4-572-00272-X 【Amazon
原題:DAS MÄRCHEN VON ROSENBLÄTTCHEN(1978)


ばらになった王子ロスミタル公爵の妹の美しいロザリーナ姫は、バラが大好きでした。ロザリーナは美しい長い髪がたいそうご自慢で、四六時中、6人の櫛元たちに梳らせていました。

ある日、兄のロスミタル公爵は、ロザリーナに親友のタエマナシ王子を紹介しました。
公爵は二人の結婚を望むのですが、櫛元たちの櫛が髪に引っかかったため、ロザリーナは癇癪をおこしてしまい、タエマナシ王子に「バラとカボチャが結婚しない限り王子と結婚しない」と言ってしまいます。
タエマナシ王子は、乳母の魔女タエテナシに相談しました。タエテナシは王子のために、ロザリーナ姫にあるバラの苗木を差し上げるのですが、それには条件がありました。

********************

あらすじは、これ以上書くとネタバレになるので途中まで!
実はロザリーナ姫と、ロザリーナが授かったヒラリ姫の物語なのです。意外な展開をしていく、先の読めない物語でした。

訳者あとがきによると、ドイツの作家・詩人(1778-1842)ブレンターノは、17世紀ナポリの作家バシーレがナポリ方言で書いた民話集『ペンタメローネ(ペンタメロンとも。「五日物語」の意)』のうちの一篇を下敷きにしたメルヒェンを書いたのだそうで、この物語もそのうちの一篇なのだそうです。
「ラプンツェル」や「眠り姫・いばら姫」など、いくつかのメルヒェンの要素が盛り込まれた摩訶不思議なストーリー。
私が思うに、ブレンターノは神話にも詳しかったんじゃないのかな。そう思わせる箇所が少なからずあるんですよね。
でも、なんだか釈然としなかった。魔女タエテナシは王子のために動くのだけれど、王子の役に立ってないんじゃ・・・。
そもそも王子がバラにならなくてもいいんじゃないの?バラに変身する理由がわからないんですよねえ。通常、変身物語には変身する原因があるのだけれど、それが見当たらない。だから釈然としないんですよねえ。
とは言うものの、まるでバラのトゲでも刺さったかのような、なんとも表現しにくい読後感をひきずってます。妙に印象に残る絵本なんです、悪い意味ではなくて。

リスベート・ツヴェルガー(1954年生まれ)はオーストリアの絵本画家・イラストレーター。1977年にデビュー。1990年、国際アンデルセン賞を受賞。この絵本は初期の作品ですね。
抑えられた色調と背景が省略された絵から、物語の持つ閉塞感や掴みどころのなさ、薄気味悪い部分が感じられるよう。
ツヴェルガーの描く人物は、それ自体にキャラクター性があるように感じる。物語とは別個に動きだしそうな、感情を持った人物という印象を受けるのです。
でもツヴェルガーの絵は、ちょっと苦手かなあ。絵の良し悪しを言えば、良いです。これはハッキリしてます。私が苦手なだけなのです。
なんとなく絵との間に距離感を感じるんですよねえ。離れた場所でのツヴェルガーの小劇場を眺めているかのような距離感。たんに好みの問題なのかもしれません。ただ、好きになれば中毒になりそうな気がしてます。(2012/8/15)

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