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夜物語/パウル・ビーヘル

夜物語
パウル・ビーヘル

My評価★★★★☆

訳:野坂悦子
カバー画・挿画:小笠原まき
徳間書店BFC(1998年4月)
ISBN4-19-860844-X 【Amazon
原題:NACHTVERHAAL(1992)


古い茅葺屋根のお屋敷の屋根裏に、いまは使われることのない人形の家があります。この人形の家に、一人の小人が住んでいました。
お屋敷には年取ったおばあさんが住んでいます。小人は毎晩、おばあさんが鍵を閉め忘れていないか、ロウソクの火を消したかなど見巡りに行きます。
地下室にはドブネズミとヒキガエルが住んでいました。毎週土曜日の夜になると、みんなで小人の家に集まってトランプ大会に。
本当のところ小人は、自分の家にトブネズミとヒキガエルたちを招くのが嫌でした。いじわるからではなく、一人で寛ぐのが好きだから。でも気の弱い小人は「もう来ないで」とは言えませんでした。

大嵐の夜、小人の家のドアを叩く音がしました。ドアを開けると、そこにはずぶ濡れになった女の子の妖精がいました。
ボロボロの羽根の妖精は、小人に一夜の宿を頼みます。小人はかわいそうなので仕方なく泊めてあげました。でも妖精の身の上話を聞くうちに、話に惹き込まれ、毎夜話をせがむようになっのたです。
妖精がいることを知ったドブネズミとヒキガエルは、小人が妖精の魔法にかけられたのだと大騒ぎ!小人を助けようとするのですが・・・。

********************

一夜ごとに語られる物語は、いいところで「この続きはまた明日」になります。だから読者は、小人と一緒に「次はどうなるんだろう?」と想像して楽しめます。妖精の話を一方的に聞くだけではなく、自分で続きを想像しながら読める間合い。物語が本来持つ「想像する楽しさ」を堪能できる物語ですね。
小人のように自分の想像が膨らんでいくときこそ、ワクワクとした楽しさを味わえるのでしょう。

次第しだいに「妖精の語る物語」と「小人たちの住むお屋敷」の世界が重なり合い、お屋敷に変化が起こるんです。物語が進むと、気の弱い小人、ずうずうしいドブネズミ、のろまなヒキガエル、決して仲のいいとは言えない彼らの関係も微妙に変わっていくんです。
小人の家にやってきた不死の妖精が求めるもの、それは・・・。
「生」と「死」という重々しくなりがちなテーマを扱いながら、古いおとぎ話を現代的に新しく蘇えらせた軽やかな物語でした。(2001/12/2)

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