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しばわんこの今日は佳き日/川浦良枝

しばわんこの今日は佳き日
文・絵:川浦良枝

My評価★★★★

白泉社(2005年9月)
ISBN4-592-76108-1 【Amazon


シリーズ4作目。双子の父親・陽一パパと、ゆきちゃんが遂に結婚する巻。
まずは実りの秋、しばわんことみけにゃんこの家に案山子がやってきたところから始まります。案山子は新米を持ってきてくれるんです。
晴れ着での田植えや田の祭り、収穫祭など、稲をめぐる行事はいろいろあり、稲作が生活の中心だったことが偲ばれます。いまでもこれらの行事は伝わっているのだろうけど、いまはイベントという感じですかね。
年の瀬を迎え、軒下などに飾られた餅花(または繭玉というのだそうです。ピンクや白の丸い玉が垂れ下がった飾
りのこと)が揺れる商店街でお買い物。年越しそばをいただいて、みんなで新年を迎えました。

そして梅の咲く季節、おそば屋さんのパパとゆきちゃんが結納を交わします。桜の花の下、ついにゆきちゃんがお嫁入り。
それから梅雨の季節。うっとうしい梅雨を楽しく過ごすには。
ときには源氏物語の世界に遊んだり。源氏物語の世界に憧れる平安時代の少女(『更級日記』の著者)を案内役に、絵巻物や絵草子などについて語られています。
やがてまた秋になり、みんなで京都へ。もちろん新婚さんも一緒。疲れたら町屋を利用したカフェで一休み。いいですねえ町屋カフェ、行ってみたいです。

********************

結納品とそれらの謂れが語られ、子生婦(こんぶ)に寿留女(するめ)、勝男武士(かつおぶし)、家喜多留(やなぎだる)などなど。縁起の良さそうな当て字のオンパレード!実にわかりやすい当て字ですねえ。でも、こういう品々は地方によって違うんでしょうね。
ところで「長熨斗(ながのし)」の熨斗は、元々は熨斗(うっと)と言い、中国語で火熨斗(アイロン)のことで、「伸ばすもの」という意なのだそうです。火熨斗は日本でも昔使われていて、古道具屋などで見ることができます。
昔の日本の結婚式は、婿方か嫁方の実家で行われていたそうです。昔話ではよくある光景ですよね。神前結婚式は明治時代に立案され、当時の皇太子の婚儀が宮中の賢所で行われたことから一般に広まったのだとか。考え方によっては、神仏棄却の一端という感じがしなくもないんですけど。

梅雨の季節、庭にはあじさいの花が咲き乱れ、軒下には釣り忍。「釣り忍」というのは草を輪の形に束ね(絵では井形)、軒下に吊るして涼を添える物だそうです。
部屋の中が蒸し蒸しして湿っぽいので、しばわんこはお香を炊きます。相変わらずマメですね。香炉で焚く空薫(そらだ)きは、ちょっと手間だけれどやってみたいな。釣り忍といいお香といい、梅雨の季節をいかに心地良く過ごすか、先人の生活の知恵を見習いたいところ。

絵巻物や絵草子についてでは、ラジオもテレビもない時代、特に身分の高い女性は屋敷から外へ出る機会が少ない時代のため、物語によって自分だけの世界に遊ぶことができたのでしょうね。
もっとも当時は飢饉や疫病が多発した悲惨な状況だったそうで、この少女のような生き方は、ほんの一握りの特権階級に許された贅沢だと思う。でも、彼女には彼女なりの苦労があったようです。

結婚の風習や、その他様々な日本の風習や文化が紹介されていて、改めて日本文化の豊かさを感じました。
こうした日本特有の文化には、日本人よりも外国人の方が敏感に反応するみたいですね。私もそうですが、日本人はあまりにも身近にあって慣れているからか、あまり意識していないような気がするんですよね。
そうした中このシリーズは、身近にある日本特有の「和のこころ」を再認識させてくれるんです。親子で楽しめる絵本だと思います。(2009/3/3)

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