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きみの血を/シオドア・スタージョン

きみの血を
シオドア・スタージョン

My評価★★★☆

訳:山本光伸,解説:風間賢二
ハヤカワ文庫NV(2003年1月)
ISBN4-15-041027-5 【Amazon
原題:Some of Your Blood(1961)


あらすじはネタバレになるのであまり書けないのですが、米軍駐屯地内で投函を待つ一通の手紙が、内容の異常さゆえ検閲に引っ掛かった。差出人は、軍に勤務する23歳の兵士ジョージ・スミス。
ジョージは精神科医の手に移される。ドクターは彼に興味を示し、根気よく精神分析を続けた。やがて明らかにされたジョージの秘密とは!?

********************

シオドア・スタージョン(1918-1985,アメリカ)によるサイコ・スリラーと言えばいいか、サイコ・サスペンスと言うべきか。
ストーリーは、実のところ途中まで退屈気味だったほどで、格別どうというほどではなかったです。途中までは。『ジョージに関する記述』に秘められた真実が暴かれていくところから、物語は核心に迫ってゆきます。
総じて内容も主人公も、おどろおどろしいイメージとは程遠かったです。

ジョージの手紙には何が書かれていたのか?それが明らかになったとき、なんとも言いようのない「異質さ」を感じました。異質なのは彼の精神活動ではなく、行為です。私は人間という種のタブーに属する行為だと思うんですよね。
しかし作者は、ジョージの人格を理性的に判断するよう求めているかのよう。
確かに、ジョージは動物に対して残虐な面があるけれども、それには理由があるんですよね。同情すべき点もあるのです。しかし理性では彼のトラウマを理解できても、彼の行為に対して感情が反発してしまう。
だからといって、「異質だから排除する」という物語ではないんですよ。彼は自分なりに努力し、私たちと同じように悩みを持つ。人間だから。私には、「ジョージは"人間なのだ"」と、作者が幾度も強調しているかのように思われました。
このような微妙なニュアンスによって、なんとも落ち着かない気分にさせられました。(2003/8/15)

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