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夢みる宝石/シオドア・スタージョン

夢みる宝石
シオドア・スタージョン

My評価★★★★

訳・解説:永井淳
ハヤカワ文庫SF(1979年10月)
ISBN4-15-010365-8 【Amazon
原題:THE DREAMING JEWELS(1950)


少年ホーティは、養父アーマンド・ブルーイットの折檻から逃れるため家を飛び出した。そしてカーニバルの一座に拾われる。一座は蛇男や双頭の蛇など奇形動物や人間を見世物にしており、団長はモネートルという。
小人のジーナは、なぜかホーティの名前を変えて女装させ、モネートルの目から隠す。ホーティの持っている壊れた人形の瞳こそ、モネートルが探している水晶だったからだ。
その水晶には不思議な力があり、草木、花、動物を創り出すことができた。モネートルは水晶の力を使い、世界中に悪意を撒き散らしていたのだ。
だが水晶には人間には理解できない意思があり、モネートルには完全にコントロールすることができない。モネートルには自分と水晶との間を、仲介する者が必要だった。

カーニバルを出たホーティは己の復讐と、幼なじみを救うために養父と対決する。養父はモネートルと組んで、ホーティを誘き出す。そして、モネートルとホーティが対決する時がきた。

********************

筋書きだけを追ってみると、オーソドックスなストーリーだと思います。でも、この物語は筋書きを追っても意味がありません。全篇にどこか不気味さや異形さがあり、それがこの作品を形作っているのではないでしょうか。
この物語に漂う「異形さ」はなんだろう?暴力シーンや奇形動物・人間を書いた作家はたくさんいます。けれど、スタージョンはそれらの作家とは異なるように思うのです。何かが異質なんですよねえ。

水晶は完全なものから不完全なものまで、様々な動植物を生み出します。しかし、なぜ水晶は夢をみるのか?その点について作中ではハッキリと語られていません。水晶は人間の理解の範疇を越えたところにおかれたまま。
普通の作家なら、水晶が夢見ることに何らかの解釈なり意味を持たせるのではないでしょうか。でもスタージョンはそれをしない。そのためか、なんとなく座り心地の悪さのような、落ち着かない気分にさせられました。

この作品、素晴らしい出来とは言えないのですが、読んではまる人、好きになれない人とハッキリ分かれるのではないでしょうか。私は、読後にザラリとした感触が残り、その感触に惹かれるものがありました。(2004/2/20)

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