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つっぱり魔物グロリカン/モリー・ハンター

つっぱり魔物グロリカン
モリー・ハンター

My評価★★★☆

訳:田中明子
カバー画:坂元朋子
評論社(1985年1月)
ISBN4-566-01142-9 【Amazon
原題:THE WICKED ONE(1977)


スコットランド高地地方に、自由に姿を消すことのできる「グロリカン」という魔物がいた。グロリカンはとてもいたずら好きで、人が困っているのを見るのが大好き。この魔物に見込まれたら、死ぬまで逃れられないという。

コリン・グラントは働き者で家族を大切にしているが、ひどい癇癪持ちという欠点があった。グロリカンのいたずらに癇癪を爆発させたコリンは、グロリカンを捕まえて懲らしめようとする。
だがグロリカンの策略にかかったコリンは妖精の女の虜になってしまい、妖精たちの住む洞窟へ連れられて来てしまった。
コリンは機転を効かせ、妖精たちから牝馬を連れて洞窟から脱した。牝馬は末っ子イアンが面倒を看ることになり、村人たちから「イワンの娘っ子」と呼ばれるようになった。
ことごとく策略が失敗したグロリカンは、神妙にしてイアンの前に現れた。イアンは賢くて人がよく、醜いというだけで嫌われているグロリカンに同情するが・・・。

********************

この後、物語は山場を迎えます。グラント一家はグロリカンに対して意外な決着をつけるのですが、それは歴史的な時代の流れに沿った結果なのでしょう。結末には現代まで連綿と続くであろう、続いてほしい、スコットランドの伝承を忘れないでほしい、という作者の願いが込められているように思うんです。
魔物というと人間とはまったく異質な生き物を想像しますが、グロリカンは人間的な感情を持っているんです。ひねくれ者ですが、なんか憎めない。特にグロリカンがコリンと契約を結び、その後少しずつ性格が変わっていくとこなんて人間くさい。物語は全体的にユーモラスさがあるんです。

双子の兄弟フューとヘクターは、利発でないというだけで父親から軽んじられる。しかしこの双子たちこそ、スコットランド高地人魂そのものでは。
イアンは体は不自由でも利発でやさしいのですが、いかにもいい子すぎてちょっと。イアンよりも賢くはないけれど、働き者で父母を自分たちなりに愛し尊敬し、自分の内に根付く高地人魂に従って生きようとする、そんな独自の価値観を持っている双子の兄弟が好きです。(2001/5/30)

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