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炎路を行く者/上橋菜穂子

[守り人作品集]炎路を行く者
上橋菜穂子

My評価★★★★

挿画:佐竹美保,二木真希子
偕成社(2012年2月)
ISBN978-4-03-540380-7 【Amazon

収録作:炎路(えんろ)を行く者/十五の我には


炎路を行く者守り人シリーズの番外編2作。『蒼路の旅人』から登場するタルシュ帝国の密偵ヒュウゴを主人公とした中篇と、15歳時のバルサの短篇。

ヒュウゴとバルサが、各々多感な15歳の頃にスポットが当てられています。
無力感に苛まれたり、迷い、歯噛みしながらも、ひたすら自分の道を生きようとする二人の姿が清々しかったです。

炎路(えんろ)を行く者
『蒼路の旅人』でチャグムは、タルシュ帝国の密偵ヒュウゴによって、帝国の首都へ連れ去られてしまいます。
ヒュウゴは『天と地の守り人』にも登場する重要な人物。故国をタルシュに滅ぼされた彼が、なぜタルシュ帝国の密偵となったのか。

ヨゴ皇国の近衛兵でも精鋭中の精鋭「王の盾」を父に持つ少年ヒュウゴ。だが皇国はタルシュ軍によって滅ぼされた。
ヒュウゴは生き延びるが家族と家を失い、タルシュ軍に追われる身となる。彼を助けたのはヨアルという不思議な少女だった。
やがてヒュウゴは庶民に混じって働くことにするが、何をしても満足を得られず、心が次第に荒んでいく・・・。

********************

本編では語られなかったため、疑問が残っていたヒュウゴの過去が解明しました。彼がチャダムと自らが仕える王子に何を希んでいたのかも、これを読んでよくわかりました。
「王の盾」の武人一族の息子に生まれ育ち、いつかは自分も王の盾になることを望んでいた少年が、ある日突然すべてを奪われる。自分の存在理由を失った少年が、庶民に混じって暮らすうちに、ますます自分を失っていく。

そんなヒュウゴが、ある人物との出会いをキッカケに、広い世界へと視野が拓けていくんです。やがて支配者たちとは異なる論理で、世界を見渡し、未来を望むようになる。
生き方を変えるためには、たんに場所を変えればいいのではなく、新たな視野、考え方を身に着ける必用がある。そうでなければ、いつまでも過去の自分をひきずっているだけなのでしょうね。
そのような過程が丁寧に書かれていて、とても好感がもてました。

十五の我には
隊商の護衛士をして盗賊と戦ったバルサは、ケガの療養のためにしばらく一つ町に逗留することになった。
ケガの治ったバルサは、ジグロに頼らず用心棒として一人前でになりたいと働き口を探すが、就いたのは酒場の下働きの仕事。15の小娘では、用心棒の口になかった。
店でバルサは、盗賊と通じて隊商を売った護衛士のノランと遭遇する。

********************

少女時代のバルサのエピソード。やや自信過剰気味なところや、一人前として認められたいという背伸びや焦り。
境遇はどうあれ、15歳ってそうだよねぇ。まあ、バルサの境遇は苛酷すぎるけど。
作中でジグロの詠む詩が15歳時のバルサと重なります。さらには少年期のヒュウゴとも重なって、バルサの物語と響き合うんですよ。バルサとヒュウゴの物語で一冊としたのに納得です。(2012/10/21)

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まとめ【炎路を行く者/上橋菜】

[守り人作品集]炎路を行く者上橋菜穂子My評価★★★★挿画:佐竹美保,二木真希子偕成社(2012年2月

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