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アメリカの鱒釣り/リチャード・ブローティガン

アメリカの鱒釣り
リチャード・ブローティガン

My評価★★★★☆

訳:藤本和子
解説:柴田元幸
新潮文庫(2005年8月)
ISBN4-10-214702-0 【Amazon
原題:TROUT FISHING IN AMERIKA(1967)


うーん、うーん、この本について何をどう書けばいいのか随分悩みます。内容も感想も非常に説明しくにい。なので今回はあらすじの紹介は無しということで。
印象としては、ホットでもなくクールでもない、微温といった感じかな。小説というよりも、詩やエッセイと言ったほうが近いように思いました。
プローディガンの本はこれで4作目なのですが、これまでで一番プローディガンという作家がわかったような気にさせられました。そんな気がしただけで、ホントはわかっちゃいないんだけどね。

ときには擬人化され、平和ハンプやスローガン、ときには特定の場所のように登場する"アメリカの鱒釣り"。おそらく本書を読んだほとんどの人が「"アメリカの鱒釣り"って何?」と思うに違いない。そして「この小説にはいったいどんな意味が込められているんだろう?」と思うはず。
柴田さんが解説で、「意味づけなくてもいいんだ」というようなことを書いてくれていたのには安心しました。正直言って、よくわからない作品だったから。
しかし、理屈ではわからないのだけれど、感覚的にはなんとなく通じるような気がしています。私は好きだな、こういうの。
一環したストーリーや、物語に意味を求めようとする人には向かないでしょうね。「なんでマヨネーズで終わるのか?」なんて、意味を求めてもムダだから。
無理に意味を読み解こうとすると、すんごくつまんなくなってしまうと思う。それにこの作品の持つ軽やかさが失われてしまうんじゃないかな。「軽やか」というのがいちばん強く感じた印象。

訳者あとがきによると、実際に執筆されたのは1961~62年ごろ。時代はいまではかなり変わったけれど、私にはこの作品の新鮮さは失われていないと感じました。
作中に書かれているアメリカは、どこか郷愁を誘うノスタルジックな場所・人々・出来事なのですがど、いまとなってはそんなノスタルジーさが新鮮に感じられるんです。
読んでいると、作者が生きていた当時のアメリカが浮かび上がってくるような。アメリカの実社会を描写したものではないかもしれないけれど、作者は社会的弱者に対して親密感を抱いているかのよう。
しかし接近しすぎず、反体制派というのでもなく、社会からちょっと距離を置いて眺めている印象を受けました。シャイだけれど、ちょっとシニカル。しかしユーモアを忘れない、そんな作者の姿を想像しました。
軽やかで開放感があって温かみもある、不思議な本。どこがどうとは説明できないけれど、居心地のいい本でした。(2005/8/26)

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